第3回懇談会

第3回懇談会

日時 : 平成 9年 3月 6日
場所 : ホテルキャッスルプラザ

海生生物に配慮した海岸整備の方法について

【海域の整備】

  1. 離岸堤の潜堤化
  2. 離岸堤は優れた消波機能を有する反面、海水交換の妨げとなる。海水交換を促進する潜堤や人工リーフの導入が望ましい。
    潜堤や人工リーフの整備は、現状では漁業活動に対して支障はない。ただし、レジャーボートや水上バイク等のレクリエーション利用者に対する安全面での配慮が必要。
    潜堤は優れた魚礁、藻礁となり、漁業資源の保護育成に効果がある。


【汀線部(突堤工)の整備】

  1. 構造物法線の複雑化(突堤工に凹凸をつける)
  2.  

  3. 捨石等による突堤周辺の海水や漂砂の流れに対する緩衝帯の形成
  4. 直線的かつ画一的な構造物が連続的に整備され、単調である。
    単調な環境は多様性の少ない生物相を形成しやすい。
    通常の海水浴場は砂浜の両端が岩場になっており、海水浴のついでに生物観察ができるようになっている。
    海岸でも既設突堤の先端に捨石を投入し、生物観察ができるようにしてほしい。

【陸域の整備】

  1. 砂浜に加え、礫浜、タイドプール、人工干潟の積極的な採用
  2. 多種多様な生物が生息できる。
    海生生物に親しめ、家族で憩える場の創造が可能。

     

  3. 貝殻混じりの砂を用いた養浜
  4. 貝殻混じりの砂は水質浄化に効果がある。
    東播海岸の養浜を行うために他の海域から貴重な海砂を採取するのは好ましくない。砂防ダムの浚渫土砂等を活用すべきである。

その他の海岸整備手法について

  1. フレキシブルな対応が可能な整備計画の策定や構造物の整備
  2. 永久的に壊れなくするのではなく、ある時期をおいてアンケート調査や意見を聞く場を設け、計画の見直しや整備方針の変更を行うという可変性の概念を計画に盛り込む。
    変わっていくことを当然とした海岸づくりが必要。

     

  3. ゾーニングの必要性
  4. 東播海岸には多くの立場の異なる人が携わっている。このような人々が一つのところを同時に利用することはできない。その対策としてゾーニングが必要である。
    場所的に徒歩でしか近づけないようなところも必要。
    瀬戸内海の中の東播海岸として、その地域性・文化を活かした海岸整備が重要。

     

  5. 白砂青松の概念の取り扱い方
  6. 白砂青松の固定観念にとらわれない多様な施設の整備が望ましい。
    白砂青松というイメージが強すぎる。白砂青松に変わるような別のキーワードを創出できないか。
    白砂青松のイメージに拘ることも大事である。白砂青松のイメージが既に人々の中にできているのであれば、その白砂青松の創造は人々に安らぎを与えることになる。

 

【管理体制】

  1. 構造物法線の複雑化(突堤工に凹凸をつける)
  2.  

  3. 捨石等による突堤周辺の海水や漂砂の流れに対する緩衝帯の形成
  4. 直線的かつ画一的な構造物が連続的に整備され、単調である。
    単調な環境は多様性の少ない生物相を形成しやすい。
    通常の海水浴場は砂浜の両端が岩場になっており、海水浴のついでに生物観察ができるようになっている。東播海岸でも既設突堤の先端に捨石を投入し、生物観察ができるようにしてほしい。


【陸域の整備】

  1. 東播海岸を統合した運営管理体制の設立
  2. 東播海岸の運営管理は各管轄区域毎に異なる行政機関が独立して行っており、非常に複雑でわかりにくい。連携できる運営管理体制を作ってほしい。