紀の川ダム統合管理事務所 大滝ダム施設概要

大滝ダム施設概要
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計画水位維持放流設備

計画水位維持放流設備のイメージ図計画水位維持放流設備の断面図

※拡大図

設備の役割

計画水位維持放流設備は、主に平水を上回る流入が生じた場合などにダム湖の水位を計画された所定の水位以下(平常時最高貯水位、第1期洪水貯留準備水位、第2期洪水貯留準備水位)に保つ設備です。
規模の大きな常用放流設備では微少開度による細かな流量調整(約100m³/s以下)が難しく、また利水放流設備は、放流能力が35m³/sしかありません。そこで80m³/sの能力を持つ計画水位維持放流設備が、利水放流設備と常用放流設備(上段)の間をつなぐ役目を果たします。

設備の特徴

修理用ゲートは、流水遮断機能を期待してローラゲートを採用するのが常です。大滝ダム計画水位維持放流設備においては、水圧バランス状態でしか操作しないことを前提に、高圧スライドゲートの採用が可能になり、コスト縮減に貢献しています。
※流水遮断機能とは、扉を降下させることにより流水を遮断することです。高圧ゲートにおいては、高速水流による閉め切り抵抗が大きく、ローラゲート採用による閉め切り抵抗軽減、または油圧式開閉装置採用による閉め切り力増といった対策が必要です。

各部の解説

1.主ゲート

利水放流設備との併用を前提としているため、微少開度における高操作性は必要でないこと、またジェットフローゲートとするには規模が大きすぎることから、高圧スライドゲートを採用しています。

2.副ゲート

主ゲートの故障、点検、整備などに使用します。主ゲートに高圧スライドゲートを採用する場合、構造的(放流管の断面形状など)な問題から、副ゲートにも高圧スライドゲートを採用するのが一般的です。

3.修理用ゲート

放流管及び副ゲートの保守点検のために設けています。この「設備の特徴」で述べたとおり高圧スライドゲートを採用しています。

4.スクリーン

流木などの異物の取り込みによる、放流管のつまりや計画水位維持放流設備主ゲートなどの損傷を防止するため、スクリーンを設けています。また修理用ゲートが出入りするため、スクリーン上部は開閉可能な構造となっています。

5.放流管

放流管が堤体外に露出することにより景観を損なわないよう、放流管は呑み口から放流口まで、全てダム堤体内に埋設されています。また空中放流による轟音、白濁を避け、限られたスペース内で水勢を落とすため、放流口は水中に設けられています。