紀ノ川ダム統合管理事務所 大滝ダム 景観に配慮した技術

景観に配慮した技術
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景観に配慮した技術

シビックデザイン

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人とダムの身近な関係づくりが大滝ダムのコンセプトであり、その実現を目指して平成4年に「大滝ダム景観検討委員会」を設け、検討を進めてきました。委員会では6つのデザイン案を提示し、地元住民と専門家を含む約1,100人を対象にアンケート調査を行い、これにより最高の評価を得た「ダムの上端に連続的なアーチを施したデザイン」が基本となっています。
このようにダムの建設にあたって、地域の幅広い意見を取り入れたのは、全国でも初めての試みです。

擬岩・擬石(人工の岩や石)

疑岩・疑石東川連絡道路の工事では、構造上川側に大きな垂直壁を作らざるを得ませんでした。しかし、この対岸には木工体験宿泊施設『トントン工作館』があることから、天然素材に代わり得る人工岩盤による修景を行っています。護岸構造物として充分な耐久性を持つ新素材の開発により、これまでになかった渓谷美をつくりだすことができました。 

油圧式クレストゲートを採用

大滝ダムは、景観設計の観点から、ダム天端からの構造物の突起をできる限り抑えるように設計しています。万が一、計画した洪水の流量よりも大きな洪水が発生した場合、ダムの決壊を防ぐために、ダムの堤頂部に設置しているクレストゲート関係の設備もその一つです。堤体内のスペースに収めるために、コンパクト化を図る必要があることから、従来の電動モータワイヤロープ式ではなく、日本で初めての油圧式クレストゲートを採用しました。

カスケード方式の減勢(放流)施設

カスケード小洪水時にダム湖の水位を計画した所定の水位に保つことを目的とした、計画水位維持放流設備からの放流水は、右岸導流壁内の減勢槽から横越流方式で減勢池に放流されるように設計しています。「カスケード」とは小さな滝という意味ですが、まさしく滝が流れているような景観が創出されます。