平成23年(2011年)台風12号 紀伊半島大水害

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災害の概要

災害の概要

平成23年台風12号とその後の台風15号によって紀伊半島にもたらされた大災害は、奈良・和歌山・三重三県の提案により「紀伊半島大水害」と名付けられました。

両台風の被害は全国に及びましたが、奈良・和歌山・三重三県で死者72人、行方不明者16人を数えるなど、三県に被害が集中しました。(全国では死者82人、行方不明者16人)。
家屋の崩壊や浸水等の住戸被害も三県に集中し、とくに熊野川下流域では同川のはん濫等により新宮市では約110ヘクタール、紀宝町で約320ヘクタールと広範囲で浸水しました。

奈良・和歌山県内の道路は土砂崩れ等により至るところで寸断し、両県の国道および県道の通行止めは204箇所を数え、それに伴い18箇所の集落が孤立することとなりました。

また記録的な大雨に伴い、土砂災害が106件(土石流等59件、地すべり16件、がけ崩れ31件)が発生しました。

崩壊土砂量は約1億m3(京セラドーム大阪または東京ドームの約80倍の量に相当)と推測され、深層崩壊による大規模河道閉塞が17箇所で発生し、うち5箇所が初めて土砂災害法で定められた緊急調査を国土交通省が行うケースとなりました。

水害被害額は約5100億円(出典:平成23年の水害被害額の暫定値/国土交通省)で同年の水害被害総額の半分を占めました。 県別の被害額は同年に発生した東日本大震災を除くと和歌山県が全国でも最も多くなりました。
また道路や鉄道等交通アクセスの途絶や規制等により、三重県では観光客も減少、地域経済に大きな影響を与えました。