アマモ移植し、大阪湾にダイビングスポットを

アマモ移植? 詳しく教えてください。

アマモは浅瀬に生える海草の一種で、かつては大阪湾奥のあちこちに群生していました。アマモ場は、魚が卵を産んだり、稚魚が生育し、餌を探しにやってくる大きな魚から小さな魚が身を守るための隠れ家。まさに「海の揺りかご」だったんですが、埋め立てが進み、浅瀬に砂地がなくなった昭和30〜40年代から激減。これを、移植によって取り戻そうという試みなんです。

▲PAGETOP
まさに、地球のためのいいこと、ですね?
▲関西空港近くのサザンビーチで

ええ。ただ、何度も言いますが、私たちの活動のコンセプトの一つは「自分たちが楽しく」なんです。2004年2月に「大阪湾でダイビングを。まもなく海底環境調査を開始」と書かれた新聞記事を見て、「おっ、大阪湾でダイビングスポット出来たらいいな」と思い、「何か手伝えることありますか」と,大阪府や国交省に手を挙げたのが始まりで、アマモ移植のお手伝いをすることになりました。

▲PAGETOP
具体的にはどんな作業を?
▲ペットボトルに海水と砂、アマモ種子
 を入れて育てる「アマモ育苗キット」

「アマモ育苗キット」というのがあり、市民グループなどが育てています。2、3ヶ月で移植可能な5〜10センチほどになるので、それを泉南市の垂井サザンビーチとせんなん里海ビーチなどへ手植え。また、アマモ種子を付着させた「播種シート」の設置も行っています。

▲PAGETOP
ダイバーだから、浅瀬での作業など得意中の得意?(笑)
▲冬場、海底にアマモを手植え。地下茎を伸ばし、春先に黄色い花をつける

それはもう(笑)。アマモは窒素、リンを吸収し、光合成も行うので、水質浄化を促すばかりか、地下茎を伸ばすことにより海底を安定化させる役目も期待できるんです。まだまだ始まったばかりで、移植後のモニタリング調査も行っていますが、定着率は1割以下です。でも、30年くらい経つと効果を発揮し、大阪湾にダイビングスポットが出来るのも夢じゃない。それに、こういった活動を行うことで、海の環境ひいては海につながる川や山の環境に興味を持つ人が増えてくれればいいなと思って。

▲PAGETOP
このニュースレターのタイトルじゃないですが、「ぼちぼちいこか」なんですね。
▲CANの愉快な仲間たち

はい。モニタリング調査で、自分たちが移植したアマモが育っていると飛び上がるほどうれしい(笑)。楽しみながら、ぼちぼちやっていきたいと思っています。

NPO法人CAN(環境教育技術振興会)
松原市高見ノ里6-7-4 Tel: 072-332-1507
Web Site: http://www.npo-can.org/

▲PAGETOP
トップページに戻るvol.1 目次に戻る