今回取り上げた御前浜の活動は、貴重な自然海岸を「まもり・つかい・つたえる」ために地域住民のみなさんや利用者と行政が一緒に協力しながら、こどもたちに引き継いでゆこうというものです。同時に整備(ハード)と持続的な利用・維持管理(ソフト)を一体的なものととらえ海岸環境を整備しようという新たな試みとしての面を持っています。

この事業を行っているのは、兵庫県阪神南県民局の尼崎港管理事務所。地元の人々の海岸や海への熱い思いを受け、従来の海岸管理者としての役割りだけでなく、開かれた公共空間として、歴史や自然を生かした環境整備とは何かを考え、対話しながら海岸環境整備の検討をすすめていることが特徴です。

そのために住民・利用者と行政の情報共有には特に力をいれており、海岸で行うオープンな定期情報交換会「なぎさカフェ」を始め、情報発信紙「海辺のひろっぱ通信」やwebで、充実した情報公開を行っています。また今年で4年目を迎える大学研究室や学生の浜での活動も大きな力になっています。

御前浜の活動は、大阪湾再生行動計画において「19年度の取り組みに向けての課題と対応の事例」として取り上げられています。大阪湾の再生はこのような地域それぞれの背景や思いを尊重しながら行われる活動の集積によって支えられているのです。

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