ぼちぼちコラム「水辺の学習」

 私たちの暮らしの周りには、海や川、池、湖など、さまざまな「水辺」がある。普段、コンクリートに囲まれて暮らしていると忘れがちだが、森が育む水は、川となってやがて海に注がれる。水辺はいろいろないきものがすみ、植物が生える自然豊かな場所、釣りや水遊びのできる遊びの場所、地域の町にとけ込み、安らぎやうるおいを与えてくれる場所など、様々な姿をもっている。言うまでもなく「水辺」は、「環境」と切っても切れない関係にある。

 「ぼちぼちいこか」vol.6 では、大阪府阪南市立西熊取小学校の前田ゆきみ先生が行っている「海辺の環境学習」を紹介したが、各地の小中学校で、生物観察をはじめゴミ問題、地域環境問題などさまざまなテーマを追う「水辺」をフィールドにした学習が行われ、また、子どもたちが中心になって活動成果の発表や交流を行う場がつくられている。

 主なものに、「私の水辺」大発表会(主催:同実行委員会=大阪府内各地域の水辺活動団体、大阪府)と、近畿「子どもの水辺」交流会(主催:同実行委員会=近畿府県の水辺活動団体等、国土交通省近畿地方整備局、近畿各府県、河川環境管理財団)がある。

 「私の水辺」大発表会は、2002年から始まり、今年6回目。水辺学習に取り組む小中学生が、水辺で見つけたこと、調べたこと、日ごろ取り組んでいる清掃や水辺づくり活動などについて、活動成果を発表するもので、今年、6地域(北部、北河内、中河内、南河内、泉北、泉南)で2月3、9、23日(地域による)に開かれ、合計約40団体が参加した。この発表会は昨年まで、他府県からの参加はあったものの大阪府だけで行われていたが、今年から兵庫県、京都府、滋賀県、奈良県でも行われるようになった。

 近畿「子どもの水辺」交流会は、今年3月1日(土) に、エル・おおさか(大阪市中央区)で第1回が開かれ、近畿府県の小中学生による水辺学習の発表やポスターセッションのほか全体交流会などが行われる。

 これらの発表会・交流会は、子どもたちが上下流、府県などの枠なく「水辺づくり」を考えるとともに他校と交流できる好機会である。参加する子どもたちにとって励みとなるばかりか、指導者や水辺に関わるさまざまな分野の大人たちのネットワークも広がること必至で、今後の活動にもつながると期待できる。

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