とじるRokko Green Belt六甲山系電子植生図鑑

エノキ−ムクノキ群集

分類 : 二次林
相観 : 夏緑高木林

植物社会学上の位置づけ : ムクノキ−エノキ群団、スダジイ−ヤブコウジオーダー、ヤブツバキクラス

どんな群落?調査結果から

ひとこと解説

写真:ひとこと解説水害時には土砂が崩れ落ちるような、谷筋や斜面の下部などにできる林です。
国蝶のオオムラサキ(幼虫)は、エノキの葉を餌として、落ち葉の裏側で越冬します。冬に、この林の中で落ち葉をめくると、オオムラサキの幼虫を見つけることができるかもしれません。

主な構成種

高木層 ムクノキ,エノキ,クマノミズキ,ケヤキ
低木層 ムラサキシキブ,イヌビワ,ネズミモチ,アオキなど
草本層 ベニシダ,ナガバジャノヒゲ,イタドリ,オオバノイノモトソウなど

分布と見分けるポイント

明るい谷沿いや、ふだん水が流れてなくても大雨の時には水が集まって来るような斜面に、白い樹肌のまっすぐな高木が何本も生えていたら、この林である可能性大です。集中豪雨の時に崩れた所にまとまって成立していることが多く、堰堤工事の跡地にも成立します。植生図に示されるようなまとまった林は、表六甲に多いようです。裏六甲にも点々と分布しています。

分布 谷沿いや堰堤工事跡など
標高 六甲山全域

群落の現状と将来

構成種の半数弱が、照葉樹林の構成種群で占められていて、アラカシやシロダモ,ヤブニッケイなどが優占する林への遷移が進んでいます。でも、エノキ林が将来的になくなっていく訳ではありません。出水で土砂崩れが起こると、そこに、新たなエノキ林が生じます。