とじるRokko Green Belt六甲山系電子植生図鑑

ニセアカシア群落

分類 : 人工林
相観 : 夏緑高木林
どんな群落?調査結果から

ひとこと解説

写真:ひとこと解説緑化に有効なことから、緑化事業の一環として作られてきた林です。しかし今では、強風で折れたり倒れたりしやすい、ツルが絡まった荒れた景観となる、などの問題点を抱えています。ネザサ類が密生して、六甲山に自生する樹木がなかなか定着できず、放置しておいても遷移が進まないことも問題となっています。森林が回復した現在ならではの課題でしょう。

主な構成種

高木層 ニセアカシア
低木層 アオツヅラフジ,アケビ,フジなど
草本層 ネザサ,ヤエムグラ,ベニシダなど

分布と見分けるポイント

海抜750m以下の斜面や尾根筋を中心に植栽されています。まとまった面積の林は、表六甲の麓(海抜350m以下)に集中しています。5月だったら、白い花が満開のニセアカシアが目印。それ以外の季節だったら、ツルの絡まった高木(ニセアカシア)と密生するササに着目。他の種類の樹木がほとんどないのが特徴です。

分布 鵯越、菊水山、高羽道、布引、金鳥山など、六甲山の麓に分布
標高 表六甲の海抜350m以下を中心に分布

群落の現状と将来

林冠を構成するニセアカシアがまばらにしか生育していないこと、春の葉の展開が遅く秋の落葉が早いことから、林床にまで十分に陽が届き、ネザサの密生を招いています。そのため、林床では他の草木が育ちにくく、遷移がなかなか進みません。しばらくは、このままの状態が続くと考えられます。