第1回委員会について

各委員から次のような発言があった。

• 単に建物を復原するだけでは意味がなく、古代日本の歴史文化をよく理解してもらうためのソフトの取り組みが重要でないか。
• ハード整備を行った後にソフトの取り組みを考えるということがないよう、両者の連携による方針をたてておく必要があるのでないか。
• 発掘調査・研究と連携し、発展していく公園であるとの打ち出しができないか。
• 常に発掘調査を行っていることを売りにするということがあるのでないか。
• 現在の平城宮跡は、広大な空間が市街地の発展を妨げているということがあるが、周囲にある他の歴史的な空間との切り結びの関係を持たせることで、都の中心であることを認識させることができるのでないか。
• 「一体感」をキーワードとし、「平城宮のここにいる」、「平城京のここにいる」、「奈良盆地のここにいる」といったことを分かるようにすることで、そのスケール感を楽しんでもらうということがあるのでないか。
• 平城宮跡は過去のものでなく、現在も生きている、日本人のアイデンティティを感じさせる場所であること、世界に誇る日本のはじまりの地であると捉えて欲しい。
• 広大なスケール感が魅力であり、これを活かすことが重要でないか。併せて、平城宮跡からの眺めが確保できるよう、周辺景観の保全を図ることも重要でないか。
• 活用については、いかに面白くみせるかということが大切であり、発掘調査を公開するなど、ここにしかない「本物」を活かすことが重要でないか。
• ゾーニングについては、歴史性に配慮することも重要でないか。
  また、発掘調査・研究の成果を踏まえたリニューアルをどのように図っていくかを考えておく必要があるのでないか。
• 施設については、現在ある危険な溝の改良、高齢者に対応した園内移動システムの導入、さらには空間にマッチした休憩所の整備が必要でないか。また、夜間の活用が可能となるような外灯整備も検討してはどうか。
  また、来訪者の多くが朱雀門の側から来ており、その方面から平城宮跡内への動線をきちんと確保することが重要でないか。
• 管理運営については、関係機関の間での連携を密にし、無責任な体制とならないような方策を考える必要があるのでないか。
• 市民参加については、地元住民だけでなく、観光客にボランティア参加してもらうということもあるのでないか。
• 「国営飛鳥・平城宮跡歴史公園平城宮跡区域（仮称）」との名称について、一般にわかりやすい呼称を考えてはどうか。
  また、行政委員（奈良県）から、平城宮跡内を横断する近鉄奈良線について、踏切箇所での交通渋滞の問題を解決する面から調査検討を行っているとの紹介とともに、 平城宮跡内を通行する道路について、別のルート検討を含め、市と協議しながら方向性を出していきたいとの発言があった。

次回委員会（6 月20 日（金））においては、今回あった意見及び欠席委員から聴取した意見等をもとに再整理した上記基本的考え方等について内容確認を行うとともに、これらを踏まえて具体の計画内容を示して検討を行う

以上