天ケ瀬ダム 再開発事業
天ケ瀬ダム再開発事業 Q&A事業の目的について計画内容について環境保全の考え方についてダムの安全性について

計画内容について

1. どのような規模の洪水を対象とした計画なのか。
A
淀川水系河川整備計画において、宇治川は戦後最大の洪水である昭和28年台風13号洪水を安全に流下させることができるように整備することとしています。現状で戦後最大洪水である昭和28年台風13号の実績降雨が起こった場合、宇治地点の流量は約1,100m3/sになります。しかし、桂川、木津川で戦後最大洪水を安全に流下させるための整備を行うと宇治地点流量は約1,500m3/sとなります。
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A
現在の天ケ瀬ダムでは、計画規模である昭和57年台風10号×1.34倍(宇治1/150)の洪水が発生した時、現況では洪水途中に天ケ瀬ダムがダムの洪水調節容量を使い切ってしまって、非常用洪水吐から放流された洪水が最大1,800m3/sに達するため宇治橋より上流の2kmあまりの区間で計画高水位を大きく超えてしまいます。
天ケ瀬ダム再開発事業後は、大きな洪水に対しても最後まで洪水調節を行い、水位を計画高水位以下にすることができるようになります(約80〜190cmの水位低下)。
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A
最新の技術や新たな知見に基づきコスト縮減を図るためトンネル式放流設備以外にも、既存施設の有効活用、ダム本体改造(堤体に新たに放流ゲートを設置する方法)を検討しました。
既存施設の有効活用方策については、天ケ瀬ダム地点及び周辺地域を含め6施設((1)天ケ瀬ダム本体(2)天ケ瀬ダム堤外仮排水路トンネル(3)天ケ瀬発電所導水路(4)旧志津川発電所導水路(5)宇治発電所導水路(6)琵琶湖疏水(第1、第2))を抽出し、平成15年度から学識者による技術検討会を開催しました。平成17年度からは、2案((1)天ケ瀬発電所導水路+トンネル式放流設備、(2)天ケ瀬ダム発電所導水路+ダム本体改造)に絞り検討を行いました。天ケ瀬発電所導水路を用いるには、発電設備を迂回するための導水路バイパスの建設が必要となることから、計画上見込まないこととしました。また、ダム本体改造については構造計算等を行った結果、ダム本体のコンクリート強度を超過するため、何らかの対策を検討し、その効果を把握するための追加の構造計算等が必要となりました。これについては、他に実施事例がなく、その検討に要する時間の長期化が想定されたため、更なる検討は妥当でないと判断しました。
以上の検討の結果、放流能力増大方策としてトンネル式放流設備を設けることとしました。
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A
京都府知事から、昭和44年2月24日に天ケ瀬ダム使用権の設定が申請されており、京都府営水道は、天ケ瀬ダム再開発事業を前提として現時点において必要な取水を既に行っていることから、継続して参画される見込みです。
京都府営水道の天ケ瀬ダム湖からの直接取水については、天ケ瀬ダム建設時の安定水利権0.3m3/sをもとに、昭和39年から取水を開始されています。その後人口増加等に伴う水需要増に対応すべく、安定水利権を超える取水が、暫定的に許可され実施されています。この安定水利権を超える取水は発電等に影響を与えているおそれがあるため、天ケ瀬ダム再開発事業によって放流能力を増強することにより、京都府営水道の安定水利権化が可能となります。
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A
喜撰山発電所建設当時の電力需要のピークは冬型であり、電力需要のピーク時に利用できる天ケ瀬ダムの容量は十分でした。その後電力需要のピークが夏型に移行しました。天ケ瀬ダムは夏場には洪水に備えるため貯水池の水を少なくしており、喜撰山ダムにたくさんの水をくみ上げることができず、喜撰山発電所の能力を十分に発揮できていません。
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6. 天ケ瀬ダムの堆砂の進行状況はどうなっているのか。
A
平成26年度までの天ケ瀬ダムにおける全堆砂量は483万m3であり、堆砂容量(600万m3)の約80%を占めています。
今後、土砂移動の連続性を確保するための方策を検討し、下流河川環境への影響を調査した上で、必要に応じて下流への土砂供給を実施するなど、土砂移動の障害を軽減するための方策を実施します。
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7. ダムの放流量が増えることによって、下流の堤防が危ないのではないか。
A
琵琶湖後期放流時、長時間高水位が継続する区間については10ヶ年を目途に対策を完了させる予定です。
なお、琵琶湖後期放流は淀川の洪水が終わった後に行われるため、三川合流地点の水位が低くなることから、宇治川では洪水時に比べて同じ流量であっても低い水位となります。
天ケ瀬ダム再開発事業と合わせて、下流河川の整備も進めていきます。
また、整備後の後期放流の期間は整備前に比べ短くなります。
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