水面に咲くアサザからのメッセージ。

アサザ

アサザは、主に本州以西の湖沼、ため池、水路などに群生する多年生の浮葉植物です。6月から9月にかけて、水面に咲くように径3〜4センチメートルの黄色い小さな花をつけます。かつては琵琶湖でも大群生があり、花の季節になると水面に黄色のじゅうたんを広げたような風景が見られましたが、今日では、琵琶湖周辺でわずかに1〜2カ所の生育地が確認されるだけとなりました。環境省でも、絶滅の危機が増大している種として「絶滅危惧U類(VU)」に指定するなど、これからの生育状況が注目されています。減少の主な原因は、池沼の開発、水質汚濁、人為的除去とされていますが、本来、やや富栄養化の進んだ水域に生育するアサザが、このように減り続けているのは水域の環境悪化がさらに進んでいるという説もあります。
「琵琶湖の水は、だいじょうぶ?」。もし、水面に咲く可憐なアサザに花言葉があるとしたら、そんなメッセージを一生懸命、私たちに伝えようとしているのかもしれません。

写真提供/水資源開発公団


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