世界の水問題 水が暴れる〜洪水被害〜

洪水が多くの生命と財産を奪う

MARK人口の増加によって世界各地で起こっている急激な都市化は、土地利用に大きな変化をもたらしています。その結果、森林伐採などによる流域保水能力の低下や、氾濫区域への人々の居住を招き、洪水被害をより増大させています。また、近年の地球温暖化も気候に大きな影響を与え、集中豪雨や干ばつを生み、洪水や渇水被害を引き起こしています。さらに、洪水に加えて、温暖化による海面の上昇は、バングラデシュ、中国、エジプト、ナイジェリアなど、標高の低い沿岸に人口が密集する地域に大規模な氾濫をもたらすのではないかと予測されています。

「第3回世界水フォーラム」 3月16日より開催。

『世界の水問題』では、水不足や水質汚濁、洪水被害についてご紹介してきましたが、今後も予想されるさまざまな水問題の解決に向けて、琵琶湖・淀川流域(京都・滋賀・大阪)を会場に「第3回世界水フォーラム」が開催されます。 フォーラムには、各国政府、国際機関、NGO、専門家、民間企業、地方自治体など、水に関するあらゆる分野の人々の参加が見込まれ、世界各地でこれまでに行われた議論や行動の結果を持ち寄り、対話が行われます。さらに、フォーラムでの数多くの対話を通じて、それぞれの経験や知識を共有することにより、全ての参加者が自らの担う役割を再認識し、自らがとるべき行動を決定しようというものです。みなさまも、このフォーラムにご注目いただくとともに、各都市で催される各種関連イベントに積極的にご参加ください。

詳しくは、http://www.mlit.go.jp/tochimizushigen/mizsei/wwf3/をご覧ください。

たくさんのお便りをありがとうございました。

琵琶湖の水運は古代より道として使用されてきましたが、その他、大変大きな役割りをはたしてきたと思います。今は私たちの命の水として近畿一帯の暮らしをささえています。水の大切さを今さらながら確認しております。

(兵庫県 T.K)

ビワズ通信をみて、水の大切さ自然の大切さを改めて感じさせられました。これからは、身近なところからでも、水を大切にしていきたいと思います。

(愛知県 H.T)

転勤で10年近く四国に行っていましたが、琵琶湖がテレビに映ったり、放送されたりするといつも気にしていました。今年、また帰ってきたのですが、ビワズ通信を初めて見ました。今回の浸水被害から地域を守る「内水排除」について絵を見ての説明は良くわかりました。

(滋賀県 S.H)

淀川流域に住む者として関心を持ちビワズ通信を読んでいます。素晴らしい情報誌だと思います。

(大阪府 H.K)

開館10周年おめでとうございます。私は4月から府立植物園のボランティアをさせていただき、そこで、このビワズ通信をいただきました。私たちが安心して水道の水を飲めるのは琵琶湖のおかげ。蛇口をひねるだけでいつも水が使えるのは考えてみますと贅沢なことですね。湖北・湖西・湖東・・・と琵琶湖を訪れるのが楽しみです。

(京都府 H.Y)

琵琶湖の水位が下がったときに、内湖の水位を保つしくみ

昨年琵琶湖は長期渇水となりましたが、このような渇水により、琵琶湖の水位が低くなったときに、内湖の水位を保つしくみについてご説明します。

南湖の湖岸堤・管理用道路には、湖中につくられた区間があり、この区間の湖岸堤と、もとの湖岸との間に残った水面は、内湖(津田江内湖・草津市、木浜内湖・守山市)となりました。この内湖を湖岸堤でしめきってしまった場合、

  • 内湖の水質が悪化する。
  • 渇水など水位が低下したときに、内湖が干上がり、環境が悪化する。
  • といったことが心配されました。そこで、
  • 湖岸堤の途中に水門を複数設置して、内湖と琵琶湖の水が出入りできるようにする。
  • 湖岸堤の途中に設置した水門の一部に堰をつくり、琵琶湖の水位が低下したときに、内湖の水位を保てるようにする。
  • 堰により内湖の水位を保っているときに、給水設備によって琵琶湖から内湖に水をくみ上げ、内湖の水質の悪化を防ぐ。

といった対策を行いました。

参加者募集
津田江内湖(草津市)

内湖の水位を保つしくみ

琵琶湖の水位が下がったときに内湖の水位を保つには、まず、湖岸堤の途中に設置してある水門のうち、堰を持たない水門のゲートをすべてしめます。次に、堰を持つ水門は、ゲートを開けたまま堰を操作して、内湖の水をせき止めることにより、内湖の水位が下がらないようにします。しかし、堰により内湖の水をせき止めているだけでは、水が入れ替わらないため、水質がだんだんと悪化し、また、内湖の水が蒸発したり、農業用水に使われることによって、内湖の水位は下がっていきます。

これを防ぐため、給水設備を設置しています。給水設備は図のように、琵琶湖の水位が低くなっても取水できるよう取水口を沖に出して設置してあり、この取水口を通って流れてくる琵琶湖の水をポンプでくみ上げて、内湖へ送ります。琵琶湖から内湖へ給水することによって、内湖の水位が上がり、堰からあふれて琵琶湖へ流れるようになり、内湖の水が入れ替わります。こうして内湖の水位を保ち、水質の悪化を防ぎます。

参加者募集
給水設備のしくみ


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