河川と琵琶湖を行き来するトウヨシノボリ

 コハクチョウ

トウヨシノボリは、琉球列島を除く日本全土に分布し、滋賀県内でも身近に見ることのできる魚です。産卵期は春から初夏で、琵琶湖の流入河川でふ化したトウヨシノボリは、川の流れにのって一旦、琵琶湖へと下ります。そして、プランクトンなどを食べながら水中を浮遊し、一定の大きさに成長すると、ハゼのように水底で暮らすようになり、やがて、再び来たコースをたどって、成長しながらふ化した川へと帰って行きます。トウヨシノボリの中には、この他にも、川と湖との間を何度か行ったり来たりするものや、そのまま琵琶湖にとどまるものもいます。さらに、湖岸に産みつけられた卵からふ化した一部のトウヨシノボリは、一生を琵琶湖の中で過ごします。
トウヨシノボリは、ゴリ曳きと呼ばれる漁法で漁獲され、飴炊きや吸い物の具などとして食卓にのぼり、琵琶湖の周辺の人々には、古くから親しまれています。滋賀県には、この他にも、河川に棲むカワヨシノボリや琵琶湖の沖で暮らすビワヨシノボリなどの仲間が生息しています。

トウヨシノボリ・プロフィール

体長4〜6cmで、尾に橙色の斑紋があるが、個体によっては不鮮明なものもある。
トウヨシノボリは、ヨシノボリの中でも、地域によって変異が見られ、多くの型に分けることができる。
好奇心に富み、愛らしい表情をもつため、ペットショップの店頭で販売されることも多いが、今後は、乱獲や他地域への移入に注意を払わなければならない魚の一種である。
写真提供・取材協力:滋賀県立琵琶湖博物館


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