河川の取り組み
River Project
第2回由良川水系流域委員会資料
1.由良川水系河川整備基本方針、治水計画に関する資料
(1)治水計画に関する資料
2.基本高水の検討
昭和41年に定められた工事実施基本計画(以下「既定計画」という)は、昭和28年9月の13号台風の実績洪水を 計画対象としたものであり、以下に示すとおり基準地点福知山において基本高水ピーク流量を6,500m3/secとした。
その後、昭和28年以降における主要洪水の水理・水文資料を検証材料として、貯留関数法を用いた流出計算モデルを構築した。その流出計算モデルを用いて、昭和28年9月の13号台風の検証を実施すると、ピーク流量が6,500m3/secとなることを確認した。これは、規定計画と同じであった。
また、その後の水理・水文データの蓄積等を踏まえ、既定計画の基本高水のピーク流量について流量確率の観点から検証した。
確率規模は、近隣の一級河川の流域の人口、資産状況から見た流域の重要性や他の一級河川の計画規模のバランス等より1/100とした。
昭和41年に定められた工事実施基本計画(以下「既定計画」という)は、昭和28年9月の13号台風の実績洪水を 計画対象としたものであり、以下に示すとおり基準地点福知山において基本高水ピーク流量を6,500m3/secとした。
1) | 昭和28年9月13号台風による洪水は、既定計画以前の治水計画である福知山の基本高水のピーク流量4,100m3/secを大きくそれを上回る洪水であった。 |
2) | 既定計画では、実測流量と時間雨量資料からユニットグラフを用いて計算した推定流量より、比較検証を行い基本高水流量を定めている。 |
その後、昭和28年以降における主要洪水の水理・水文資料を検証材料として、貯留関数法を用いた流出計算モデルを構築した。その流出計算モデルを用いて、昭和28年9月の13号台風の検証を実施すると、ピーク流量が6,500m3/secとなることを確認した。これは、規定計画と同じであった。
また、その後の水理・水文データの蓄積等を踏まえ、既定計画の基本高水のピーク流量について流量確率の観点から検証した。
確率規模は、近隣の一級河川の流域の人口、資産状況から見た流域の重要性や他の一級河川の計画規模のバランス等より1/100とした。
●由良川と同等な近隣河川との比較
※洪水氾濫危険区域内人口(昭和60年国勢調査人口)
実績の洪水流量は、河道の整備状況及び洪水調節施設の整備状況により流量は異なり、また、河道からの氾濫やダム等での洪水調節による流量低減が生じていることから、時間雨量の存在する昭和28年以降の実績降雨をもとに、河道氾濫及びダム等の洪水調節がない状況での洪水量を流出モデルで算定し、その計算流量を用いて検証した。
現在一般的に用いられている確率分布モデルにより統計処理をした結果は表2-1に示すとおり約5,900~8,000m3/secである。
表2-1 1/100確率流量(福知山地点)
以上のとおり、既往洪水の再現結果及び流量確率評価による検証結果から、既定計画の基本高水のピーク流量6,500m3/secは妥当と判断される。
河川名 | 流域面積 | 氾濫区域内人口 | 計画規模 |
---|---|---|---|
円山川 | 1,300km2 | 約8万人 | 1/100 |
揖保川 | 810km2 | 約5万人 | 1/100 |
実績の洪水流量は、河道の整備状況及び洪水調節施設の整備状況により流量は異なり、また、河道からの氾濫やダム等での洪水調節による流量低減が生じていることから、時間雨量の存在する昭和28年以降の実績降雨をもとに、河道氾濫及びダム等の洪水調節がない状況での洪水量を流出モデルで算定し、その計算流量を用いて検証した。
現在一般的に用いられている確率分布モデルにより統計処理をした結果は表2-1に示すとおり約5,900~8,000m3/secである。
表2-1 1/100確率流量(福知山地点)
確率分布モデル | 確率流量(m3/sec) |
---|---|
一般化極値分布 | 7,300 |
グンベル分布 | 5,900 |
指数分布 | 6,900 |
平方根指数型最大値分布 | 6,700 |
対数ピアソンIII型分布 | 7,900 |
対数正規分布(岩井法) | 7,900 |
対数正規分布(クォンタイル法) | 8,000 |
2母数対数正規分布(L積率法) | 7,900 |
2母数対数正規分布(積率法) | 7,500 |
以上のとおり、既往洪水の再現結果及び流量確率評価による検証結果から、既定計画の基本高水のピーク流量6,500m3/secは妥当と判断される。