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河川の取り組み

River Project

第6回由良川水系流域委員会資料

第6回由良川水系河川整備計画議事録(要旨)

日時 平成15年1月21日15:00~17:00
場所 マリアージュ玉姫殿(福知山市内)4F[由良の間]
出席者 芦田委員長、井上委員、梅本委員、尾崎委員、川合委員、後藤委員、塩見委員、篠田委員、中西委員、町井委員、村上委員、目崎委員
(五十音順)
【事務局】 近畿地方整備局 久保田河川計画課長、村上河川計画課課長補佐、福知山工事事務所 今井事務所長、横谷副所長、福岡調査第一課長

流域委員会では、今井事務所長より「整備計画(原案)説明会の開催状況及び住民意見の紹介」と、その意見を踏まえた「(原案)の変更点と、その理由」についての説明を行い、「由良川水系河川整備計画(案)」について審議をいただいた結果、流域委員会として承認されました。
河川整備計画(案)に対する意見等

下流の地域での治水対策は、輪中堤方式と宅地嵩上げ方式の併用方式以外にないと思う。しかし、集落の立地状況から右岸は輪中堤、左岸は宅地嵩上げという計画は、実際に事業を実施する場合において可能かどうか。
中流の地域が連続堤防になったとき、下流の地域の洪水時の流量はどのように変化するのか。
河守盆地は土砂の堆積が激しい地域であったので、堤防ができたときには堆積がなくなるのか。また、輪中堤の場合、堤内地の状態はどうなるのか。
宮川では、山林の荒廃で水が一気にでる。治山治水は一体のものであり、山の荒れを具体的にどう踏まえて治水対策をしてくれるのか。
【事務所の対応】
  下流地域の治水計画の基本は、昭和57年の洪水規模で浸水する住家を対象に18地区を向こう30年間で整備していく計画です。現在は地区を特定したもので、今後は地元状況をよく知っている市・町とそういった意見を踏まえて実施していきたいと考えています。
輪中堤がいいのか、宅地嵩上げがいいのかは地元の方と調整しながら進めていきたい。
流量の変化や影響への対応については、輪中堤の設置位置など個々のケースについて検討を行い、地元の方の意見を聞いて計画を進めたい。また、堤防の断面についても、地元の状況をよく知っている皆さんの意見を聞いて計画したいと考えています。
由良川の近年の河床高は安定した状況にあります。また、ヘリコプターで視察したときも部分的にはあるかもしれないが、全体的に特に荒れたところもなく、かなり安定した状態が続くのではないかと考えられます。
治水対策は、その地域の特性において進め方が変わってくるものであり、それは地形的な特性、人間の住み方等いろいろありますが、画一的でなく、場所によって変えて行く必要があると思います。それは地域住民と行政が協力関係をもちながら進めることが大切なことです。それによって地域に適した防災計画、治水対策を進めていくことが可能になると思います。
下流部改修事業の地区別施策予定区間には、住居が集中した地区において宅地嵩上げを実施する計画になっているが、どのように考えてこのような計画になったのか。
【事務所の対応】
  整備計画では、昭和57年規模の洪水において浸水する家屋を対象に、将来的な計画も勘案した中で効果的かつ効率的で早期に安全性を確保できる計画として、輪中堤や宅地嵩上げの施策を選定しています。
当該地区では、住居が集中してはおりますが、浸水する家屋はごくわずかのため、宅地嵩上げとしております。
「既存洪水調節施設の効果的な運用」という項目はどのようなことですか。これは新たにダムを建設するということでしょうか。
【事務所の対応】
  既存洪水調節施設とは既にできている大野ダムのことです、ここでは新たにダムを建設することでなく大野ダムの操作方法の検討について記載したものです。
堤防の整備が進み近年では浸水することは無くなったが、洪水被害の体験もあり大雨が降るとやはり心配になります。この計画に「ITを活用した河川情報の共有化」とありますが、一般の方々にも情報を提供されるのでしょうか。
また、他の河川を例にすると、それらをきっかけにして一般の方が自主的に避難をするといったこともありましたが、このようなことも考えていますか。
【事務所の対応】
  現在、河川情報表示板を福知山市と綾部市に4ヶ所設置しており、今後、大江町などにも設置する計画であります。また光ファイバーを用いて市・町へ災害時の情報提供を行ったり、一般の方々にも情報が流せるようなものを考えていきます。
また、その他にもハザードマップの作成や支援、昭和28年洪水のシュミレーションなども考えています。
委員より、原案説明会以降に地域の方々と直接対話する中での意見紹介を戴いた。
これからは、地域住民と行政との交流、情報交換、情報共有が大切であり、これまでに多くの貴重な意見を頂いているが、この整理した意見を住民に返して行政と地域住民とがコンタクトを強めていく必要があると思います
【事務所の対応】
  これまでの(原案)に対する意見については、資料の中で「主な意見と回答」として整理させて頂いており、これを公表していきます。地域住民との情報共有化などについては各市町と方法を検討して対応していきたいと考えています。
今後の進め方について

由良川の河川整備にあたっては、「由良川水系河川整備計画」を早期に策定し、早く推進することが、特に重要であると思います。
それには、住民と行政が一体となって推進していく体制をつくることが必要と思います。
由良川の川づくりを進めるにあたっては、「流域委員会」に変わり「懇談会」という場の中で意見交換や討論が行われることになると思いますが、由良川で重要視されている「治水」対策と併せて「環境」「利水」についても十分にその場で討論して頂き、「治水」「利水」「環境」すべてがバランスのとれた川をつくる必要があると思います。
それには、決して工事一辺倒の議論にならぬように「利水」「環境」に対しても意見の集約を行い、「懇談会」などの場で議論していただきたい。なお、特に環境について”環境アセスメント”と”環境調査の結果”とが画一的にならないように議論していただきたい。
住民の方の川に関する意識は、意見の結果からも地域によって焦点・注目度(関心)が違うといった傾向が伺えるが、川づくりにあたって「治水」「利水」「環境」すべてがバランスのとれた川にするには、それぞれに対し住民の方々が関心(意識)をもつことも必要であると思います。
特に環境については、この計画を今後どのように展開していくか、ソフト的な対応として情報の発信を行い、それによって「環境」と「地域(住民の生活など)」との関連の中で常に注意を喚起していく形も具体的に考えていく必要があると思います。

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