〒620-0875 京都府福知山市堀小字今岡2459-14 TEL:0773-22-5104(代表)

文字サイズ

河川の取り組み

River Project

  1. HOME
  2. 河川の取り組み
  3. 由良川とともにいきる
  4. 第1回 地域の安心安全のために ~由良川の水災害と対策~

第1回 地域の安心安全のために ~由良川の水災害と対策~

2.全国で頻繁に発生する水災害

近年、水災害は由良川だけでなく全国各地で毎年のように発生しています。

平成27年関東・東北豪雨による鬼怒川の決壊・氾濫、平成28年台風10号、平成29年九州北部豪雨、平成30年7月豪雨など、大きな被害が発生しました。

昨年は関東・東北地方に複数の台風が襲来し、特に台風19号では多くの河川で堤防の決壊・氾濫が発生し、北陸新幹線の車両が浸水するなど甚大な被害がありました。

日本全国で頻発する近年の水災害は「これまでの常識」では通用しないのものとなっています。「今まで大丈夫だったからこれからも大丈夫」といった考えは危険です。大きな洪水に対する備えや浸水被害を減らす取組みが必要です。


平成26年8月豪雨による福知山市街地の浸水状況

(1) 平成27年関東・東北豪雨

平成27年関東・東北豪雨において、関東地方は、台風第18 号によって刺激された秋雨前線により降り始めた降雨に加え、その後に台風から変わった温帯低気圧と台風第17 号の双方から暖かく湿った風が吹き込み「線状降水帯」と呼ばれる積乱雲が帯状に次々と発生する状況を招き、長時間にわたって強い雨が降り続きました。

五十里雨量観測所(栃木県日光市)において、3日雨量617mm を記録したほか、各観測所で既往最多雨量を記録しました。鬼怒川水海道地点では、10日11時から16時の5時間にわたり計画高水位を超過し、観測記録史上第一位の水位を記録しました。

このため、茨城県常総市三坂町地先で決壊するなど、溢水7箇所、漏水等の被害箇所は97 箇所の被害が発生し、全壊54 件、大規模半壊1,649 件、半壊3,574 件、床下浸水3,385 件、床上浸水168 件、死者6名(うち関連死4名)の甚大な被害となりました。

鬼怒川の氾濫による被災状況(浸水状況)

鬼怒川の氾濫による被災状況(堤防決壊箇所の状況)

(2) 平成28年台風10号

8月に相次いで発生した一連の台風により、石狩川水系空知川や十勝川水系札内川における堤防の決壊、常呂川水系常呂川における越水等の被害が発生しました。

特に、台風第10号にでは、高瀬川水系二ツ森川や小本川水系小本川で堤防が決壊する等、12水系20河川において浸水被害が発生し、河川の氾濫等により道路が通行不能となった岩手県岩泉町等においては、多くの孤立集落が発生しました。

(3) 平成29年九州北部豪雨

梅雨前線及び台風の影響で6月30日から7月10日にかけて九州地方を中心に大雨となり、12地点で24時間雨量が観測史上1位を更新しました。

特に九州北部地方では、7月5日から6日にかけて線状降水帯が形成・維持され、福岡県朝倉市で545.5mm、大分県日田市で370.0mmを記録するなど、350mmを超える大雨となりました。

この豪雨で、洪水が大量の土砂や流木とともに氾濫し、福岡県と大分県で、死者40人、行方不明者2人、住家全壊・半壊1,432棟、床上・床下浸水1,661棟、JR久大本線花月川橋梁の流出など、甚大な被害が発生しました。

JR久大本線花月川橋梁の流出状況(大分県日田市)

赤谷川の土砂・流木流出状況(福岡県朝倉市)

(4) 平成30年7月豪雨

6月28日以降、梅雨前線が日本付近に停滞し、また29日には台風第7号が南海上に発生・北上して日本付近に暖かく非常に湿った空気が供給され続け、台風第7号や梅雨前線の影響によって大雨となりやすい状況が続きました。

西日本を中心に全国的に広い範囲で記録的な大雨となり、6月28日~7月8日までの総降水量が四国地方で1,800mm、東海地方で1,200mm、九州北部地方で900mm、近畿地方で600mm、中国地方で500mmを超えるところがあるなど、7月の月降水量が平年値の4倍となる大雨となったところがありました。

特に長時間の降水量について多くの観測地点で観測史上1位を更新し、24時間降水量は76地点、48時間降水量は124地点、72時間降雨量は122地点で観測史上1位を更新しました。

この大雨により、西日本を中心に、広域的かつ同時多発的に、河川の氾濫、がけ崩れ等が発生し、死者223名、行方不明者8名、家屋の全半壊等20,663棟、家屋浸水29,766棟の極めて甚大な被害が広範囲で発生しました。※1

避難指示(緊急)は最大で915,849世帯・2,007,849名に発令され、その際の避難勧告の発令は985,555世帯・2,304,296名にのぼり※2、断水が最大262,322戸発生するなど、ライフラインにも甚大な被害が発生しました。※3

※1:消防庁「平成30年7月豪雨及び台風第12号による被害状況及び消防機関等の対応状況(第56報)」(平成30年9月10日(月)14時00分)
※2:内閣府「平成30年台風第7号及び前線等による被害状況等について」(平成30年7月8日(日)6時00分)
※3:非常災害対策本部「平成30年7月豪雨による被害状況等について」(平成30年7月14日(土)14時00分)

6月28日から7月8日までの総雨量(アメダス)とその期間での降水量平年比

岡山県倉敷市真備町の浸水状況

愛媛県大洲市の浸水状況


Page Top