1つ目の役割は、「洪水から地域を守る」ことです。 大雨のとき、山から大量に流れてくる水をダムで受け止めます。そしてダムは洪水をためながら、川に流れ出る水の量を小さくして、川があふれないように洪水を調節します。このことを「洪水調節」とよんでいます。
真名川ダムでは、洪水のとき、安全にダムに水をためるため、 流れてくる量が、1秒間に2杯(500m3)以上になったら、「洪水」といって、 ダムに水をためながら、0.6杯ずつダムから流す「洪水調節」という操作をします。 最大で、1秒間に11杯の洪水を0.6杯まで減らすことができます。 そして、ダムにためた水は、雨がやんだあと、少しずつ安全に川に流します。
2つ目の役割は、「くらしの水を安定して届ける」ことです。 真名川沿いの田畑は、昔からしばしば水不足に悩まされてきました。長い間雨が降らなくて水に困ってしまうようなときでも、真名川ダムでは、上流にある笹生川ダムと力を合わせて、いつも真名川から田畑に水が 届けられるように、ダムにためていた貴重な水を調整して田畑に送っています。この真名川ダムの水は約1,300ヘクタール(正方形にすると3.6km×3.6kmの大きさ分)の田畑をいつも潤しています。
3つ目の役割は、「電気をつくる」ことです。 ダムにためた水を発電所に送って、その流れ落ちる水の力を使って、水車を回して電気をつくります。これを「水力発電」といいます。「水力発電」は燃料がいらないので、二酸化炭素(Co2)などを出さずに電気をつくることができます。真名川発電所では、1年間に6,780万kWhの電気をつくっています。これは、一般家庭が1年間に使う電気の量の約2万軒分になります。 このほか、真名川ダムのすぐ下にある「真名川ダム管理用発電所」では、真名川ダムで使う電気をふだん真名川に流している水を有効利用して自家発電しています。