「なんで自分たちが?」から「いつか自然の山に」へ

春は潮干狩りのできる海岸だが…

地元由良に生まれ育った生徒たちだが、前世代の人のように、子どもの頃に成ヶ島で頻繁に遊んだ経験はない。

5人のうち、藤本くんだけが「父と一緒に、泳いで成ヶ島に渡ったことが一度だけある」と言うが、あとの4人は「潮干狩りに行ったことがあった」程度で、「大潮の後、あさりがたくさん獲れた」という関連した記憶を思い出してくれたのも山本くんだけ。生徒たちが育った時代の成ヶ島の浜は「遊泳禁止」で、すでに荒廃した後だったわけだ。そのため、大人たちのような愛着は希薄だ。だが、毎日当たり前に視界に入り、なくてはならない風景の要素だったことは確か。

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掃除後は保護者会の協力で豚汁を

「1年の時、初めてのクリーン作戦をする前は、なんで自分たちがこんなにしんどいことをわざわざしないといけないのかと思った」
というのが、正直な印象だろう。だが、「1回すると考えが大きく変わった」と皆、口をそろえる。

「ゴミ拾いはしんどいが、意義があると思えた。町や自然のためになる行事だし、自分たちのためでもある行事だ。頑張れば、いつかゴミの山が自然の山に変わっていくかもしれない。由良にその日が来ることを願って、一つひとつゴミを拾ったし、また拾いたいと思う」
口々に、そんな感想をくれた。

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