
BIM/CIM は、計画、調査、設計段階から3 次元モデルを導入することにより、その後の施工、維持管理の各段階においても3 次元モデルを連携・発展させて事業全体にわたる関係者間の情報共有を容易にし、一連の建設生産・管理システムの効率化・高度化を図る取り組みです。i-Construction のうち、「3 次元モデルの建設生産プロセスでの流通」を指します。
最新のICT を活用して、建設生産システムの計画、調査、設計、施工、管理の各段階において情報を共有することにより、効率的で質の高い建設生産・管理システムの構築が可能となります。それにより、ミスや手戻りの大幅な減少、単純作業の軽減、工程短縮等の施工現場の安全性向上、事業効率及び経済効果に加え、副次的なものとしてよりよいインフラの整備・維持管理による国民生活の向上、建設業界に従事する人のモチベーションアップ、充実感等の心の豊かさの向上が期待されています。
令和元年度のBIM/CIM 活用業務・工事で実施する項目(リクワイヤメント)は以下のとおりです。必須項目と選択項目があり、各業務・工事で実施項目を設定することとなっています。
(原則として各業務・工事で実施)
・「CIM導入ガイドライン(案)」を参考に、各段階で検討に必要なCIMモデルを作成する。
・CIMモデルの作成にあたっては、BIM/CIM実施計画書に必要な事項(作成するデータモデル、モデルの種類、作成・更新の対象範囲、詳細度、属性情報、使用するソフトウェア等)を記載し、発注者と協議の上実施する。
・「CIM導入ガイドライン(案)」を参考に、各段階で検討に必要な属性情報を入力する。
・属性情報の選定は、ガイドラインを参考に受発注者の協議のうえ決定する。
・「BIM/CIM 設計照査シートの運用ガイドライン(案)」を参考に、「BIM/CIM設計照 査シート」を活用してCIMモデルの照査を実施する。
・CIMモデルの照査を実施する上での留意事項について、報告書にとりまとめる。
・「CIM事業における成果品作成の手引き(案)」に基づき、CIMモデルを納品する。
・属性情報等が、電子成果品(媒体)単体で完結していることを確認する。
(各業務・工事で複数項目(原則5項目以上)設定し、実施)
・CIMモデルの品質向上
・マニュアルの試行・改善
・ BIM/CIM活用項目を実施するにあたり、「段階モデル確認書」に基づきBIM/CIMモデルの共有、確認等を実施し、活用した場合の効果や課題について抽出すること
・情報共有の制度化
・ASP機能要件の改善
・ 建設生産プロセス全体における品質確保を図るため、情報共有システムの3次元データ等表示機能等を活用し、受発注者等の関係者間における情報連携を実施すること
・属性情報の標準化
・ガイドラインの拡充
・ ガイドラインに沿った属性情報以外に、当該事業の特性等から追加すべき属性情報を検討し、その利用目的や利用にあたっての留意点等を一覧表としてとりまとめること
・4Dモデルの標準化
・マニュアル化の基礎資料
・ 『設計-施工間の情報連携のための4次元モデルの考え方(案)』を参考に、想定する施工順序等と連動するよう、施工ステップ等に沿ったBIM/CIMモデルを構築すること
・5Dモデルの基礎資料
・新積算手法の検討
・ BIM/CIMモデルから概算事業費の算出に必要な各数量を算出するとともに、算出された数量に基づく概算事業費の算出を行うこと
・3DAモデルの課題整理
・表記標準の試行・改善
・ 「表記標準」に従い、契約図書としての要件を備えたBIM/CIMモデルを作成すること。また、作成した3次元モデルと2次元図面との整合性について確認すること
・照査の品質向上
・3D照査手法の構築
・ IFC形式またはJ-LandXML形式のBIM/CIMモデルについて、異なるソフトウェア間における属性情報の欠落、参照情報のリンク切れ等の互換性を確認すること
・照査の品質向上
・3D照査手法の構築
・ 3次元モデル及び属性情報を活用することで効率的かつ確実な実施が見込まれるものの選定を行い、BIM/CIMモデルを活用した効率的な照査を実施すること
・フロントローディング
・施工の合理化
・ CIMモデルを用いた仮設計画、施工計画を行うこと
・ 3次元計測と連携した出来形管理を検討、実施すること
・監督・検査の効率化
・マニュアルの拡充
・ ICTを活用した3次元計測と連携することでBIM/CIMモデルを活用した効率的かつ確実な監督・検査の実施に向け、必要な事項を取りまとめること