7月27日、新草津川通水式典!

草津川は、市街地を流れる天井川として全国的に知られ、大雨による浸水被害は慢性的なものです。とくに近年は京阪神のベッドタウンとして人口が急増していることから、川を平地化し、市街地を水害から守ることが急務となっていました。そのため、国土交通省では草津川と金勝川の合流点から河口に向けて長さ 5.5キロメートルの新しい川をつくり、これに支流の伯母川と北川を合流させる「草津川放水路」事業を計画、昭和57年より工事に着手しました。

そして、約20年の歳月をかけた工事がほぼ完了し、6月14日に試験通水を開始、7月27日には「新草津川通水式典」が開かれることとなりました。当日は、草津、栗東市内の小学生による「こども水の輪会議」をはじめ、河川敷では「市民の集い」や「オープニングセレモニー」などを予定。生まれ変わった草津川が地域のシンボルとなることを願いながら、放水路の完成を市民のみなさまと共に祝います。

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新草津川通水式典〜草津川放水路の未来をつなぐ〜

○市民の集い
日時/7月27日(土)午前9時〜
場所/草津川河川敷(国道1号と宮町橋の間)
内容/ステージイベント・オープニングセレモニー 太鼓演奏・記念コンサート・踊り等

MARKこのコーナーでは、京都、滋賀、大阪を結んで開催される「第3回世界水フォーラム」に向けて、いま世界で起こっているさまざまな水問題について考えます。今号は、“世界の水を使う日本”についてご紹介しましょう。
 世界の水問題というと、私たちの暮らしとかけはなれた遠い存在と考えがちですが、実は、日本も大きな関わりをもっていることをご存知ですか。現在、日本は農作物をはじめ工業製品や木材など、多くのものを海外から輸入し、私たちの生活や産業はそれらによって支えられています。しかし、いずれの物資も大量の水を使って生産されています。たとえば、日本が輸入する農作物をつくるために必要な水の量は年間約50億立方メートルで、これは日本人4,000万人(日本の総人口の1/3)以上の1年間の生活用水使用量に匹敵します。このように、日本が物資の輸入を通して世界の水を使い、さまざまな国の水問題に深く関わっていることを一人でも多くの人が認識することも「世界水フォーラム」の大きな意義のひとつといえるでしょう。

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たくさんのお便りをありがとうございました。

滋賀県に住んでいる者として、琵琶湖の環境には、少なからず関心を持っています。黄色くかわいい花を咲かせるアサザという植物のことを初めて知りましたが、同時に、絶滅の危機が増大しているということも知り、とても残念です。

(滋賀県 N.S)

以前、朽木村生杉の集落を通り、京都大学芦生演習林を訪ねたおりに、朽木村立朽木西小学校が見える県道を自家用車で通りました。ビワズ通信第33号で、同校に山村留学生を受け入れて休校することなく、今日に至っている記事を拝読して心強く感じています。朽木西小学校がいつまでも続いていくことを願っております。

(京都府 K.T)

兵庫県から滋賀県に嫁ぎ、自然環境のよさを実感させられてます。昨今の土地開発などで自然がなくなりつつある中、滋賀県も湖南地区も例外ではありません。でも琵琶湖周辺と琵琶湖への環境運動は目をみはるものがあります。春号で取り上げられていた朽木村の自然探検をみていると子供たちの生き生きとしたほのぼのとした様子がうかがえます。こういう小学校が増えるといいですね。滋賀県の名物ってふなずししか思い浮かばないのですが、いろいろな名産物を紹介していただけるとうれしいです。あとふなずしの試食探検など(食べたことがないので)。これからもがんばってください。夏号も楽しみにしてます。

(滋賀県 O.T)

この表紙の黄色い花は近所でよく見るので、そんなに大切な花だとは思いませんでした。びっくりです。こんどから気をつけてじっくり見ます。

(滋賀県 A.M)

浸水被害から地域を守る「内水排除」について

今年も台風シーズンを迎えましたが、大雨や台風による豪雨がもたらす琵琶湖沿岸の浸水被害から地域を守る「内水排除」について説明します。まず今回は、どうして内水排除が必要なのかということについてお話ししましょう。

●洪水に苦しみつづけた米作地帯

琵琶湖の周りでは、弥生時代の広大な水田跡も確認されており、古くから米作りが盛んに行われてきました。しかし、土地が低く、水のたまりやすい地域に作られた水田は、洪水のたびに浸水し、また、一度たまると何十日もの間、水が引かないため大きな被害を受けてきました。

水田の様子
昭和47年7月浸水した水田の様子

●特有の地形が招く長期浸水

長期に渡る浸水の原因は、琵琶湖特有の地形にあります。琵琶湖には数多くの河川が流入していますが、湖から流れ出る河川は瀬田川1本だけです。大雨が降ると、これら数多くの河川から大量の水が琵琶湖に流れ込みますが、瀬田川から流れ出る水量には限りがあるため、琵琶湖の水位が上昇し、湖周辺の低い土地から浸水しはじめ、水位が高くなるほど、浸水する土地の面積が広がっていきます。大雨が止んだ後でも、琵琶湖へ流入する河川の水量がすぐには減少しないので、瀬田川から流れ出る水量だけでは琵琶湖の水位はなかなか下がらず、湖周辺の低い土地では、長期間浸水することとなるのです。

●浸水被害を最小限にくいとめる「内水排除」

このような浸水による被害を防ぐのが「内水排除施設」です。これは、大雨が降って、琵琶湖周辺の低い土地にたまった水を排水ポンプで湖へ汲み出すもので、現在は琵琶湖周辺に14箇所の内水排除施設(排水ポンプ)が設けられています。平成7年の洪水では、14箇所すべての内水排除施設を12日間動かして水を汲み出しました。その結果、浸水時間と浸水面積を大幅に減らし、浸水被害の軽減に大きな役割を果たしました。
次回は、内水排除施設のシステムについてご紹介します。

水田の様子


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