事務所の事業
事務所の役割 天ケ瀬ダムの管理
琵琶湖下流で水量を調節します。
淀川水系のダムのうち、天ケ瀬ダムは淀川ダム統合管理事務所が管理しています。
天ケ瀬ダムは琵琶湖の下流にあります。天ケ瀬ダムから下流わずか2.3kmに観光資源を豊富に持つ宇治市があり、さらにその下流には京都市、大阪市など大都市があります。天ケ瀬ダムは、これらの大都市にもっとも近いダムとして、洪水をくい止めるために力を発揮します。
天ケ瀬ダムについて
天ケ瀬ダムの場所

天ケ瀬ダムの概要

天ケ瀬ダム
河 川 名:淀川(宇治川)
位 置:京都府宇治市
完成年月:1964年11月
諸元
ダム形式 | ドーム型アーチ式コンクリートダム トンネル式放流設備 |
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堤 高 | 73m |
堤 頂 長 | 254m |
体 積 | ダム本体:121,500m3 副ダム水たたき:42,500m3 計:164,000m3 |
集水面積 | 天ケ瀬ダム流域:352km2 琵琶湖流域:3,848km2(内湖面積680km2) 全流域:4,200km2 |
湛水面積 | 1.88km2 |
目 的 | 洪水調節、水道用水、発電 |
総貯水容量 | 26,280,000m3(甲子園球場約50杯分) |
有効貯水容量 | 20,000,000m3 |
洪水調節容量 | 20,000,000m3 |
利水容量 | 発電容量:13,480,000m3 |
水道容量:2,140,000m3 |
洪水調節 | 流入量 | 2,080m3/s |
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調節量 | 1,140m3/s | |
発電 | 最大出力 | 92,000kW(天ケ瀬発電所) 466,000kW(喜撰山発電所) |
上水道 | 取水量 | 0.9m3/s |
放流設備 | 天ケ瀬ダム主ゲート (圧着式高圧ローラゲート) |
径間3.42m×有効高4.56m×3門 |
天ケ瀬ダム非常用放流ゲート (ラジアルゲート) |
径間10.0m×有効高4.357m×4門 | |
天ケ瀬ダムコンジット予備ゲート (高圧キャタピラゲート) |
径間5.13m×有効高7.395m×3門 | |
トンネル式放流設備主ゲート (高圧ラジアルゲート) |
径間3.6m×扉高4.9m×2門 放流量:600m3/s(計画放流量) |
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トンネル式放流設備副ゲート (高圧スライドゲート) |
径間3.6m×扉高5.9m×2門 | |
トンネル式放流設備修理用ゲート (高圧スライドゲート) |
径間10.54m×扉高12.3m×1門 | |
トンネル式放流設備 小容量放流設備 主バルブ (ジェットフローゲート) |
Φ1300mm×1門 放流量:25m3/s(最大放流量) |
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トンネル式放流設備 小容量放流設備 副バルブ (高圧スライドゲート) |
Φ1300mm×1門 |
天ケ瀬ダム建設の経緯
天ケ瀬ダムは淀川水系の宇治川に位置します。上流は瀬田川と呼ばれ、琵琶湖から流出する唯一の河川です。
天ケ瀬ダムは、昭和28年(1953年)9月の台風13号による洪水被害をきっかけとして計画され、昭和39年(1964年)の完成以来長きにわたり、下流域の安全と、安定した水の流れを守り続けています。

天ケ瀬ダムの役割
洪水を防ぐ(洪水調節)

台風などによる大雨時には、宇治川に流入する大量の水を天ケ瀬ダムに貯留して少しずつ下流へ流し、宇治川・淀川での洪水被害がないよう調節します。
飲み水を供給する(水道)

天ケ瀬ダムに流入する水の一部を生活用水として貯留しています。京都府の宇治市、城陽市、八幡市、久御山町の水道の水源として、およそ36万人に利用されています。
電気をつくる(水力発電)

天ケ瀬ダムの水は発電にも利用されており、ダム直下の天ケ瀬発電所では、最大10万人が利用できる電気をつくっています。さらに、上流にある喜撰山発電所では、最大50万人が利用できる電気をつくっています。
淀川水系全体のバランスの中で働く天ケ瀬ダム
天ケ瀬ダムのゲート操作は、淀川ダム統合管理事務所の指示のもとで行っています。
天ケ瀬ダムは、上流の琵琶湖と下流の淀川を結ぶ中間地点にあるので、常に上流と下流のバランスを見ながら放流量が決められています。
特に洪水調節を行う際は、琵琶湖の容量を最大限活用しつつ下流の淀川の水位を効率的に低下できるよう、琵琶湖の流出量を調節する瀬田川洗堰と連携した操作を行っています。

天ケ瀬ダムでの主な管理業務
ダムの施設の管理
ダム堤体や貯水池周辺の安全確保、ゲートなどの諸設備をいつでも機能させるための点検や整備、補修などを行っています。
また、ダムのゲート操作に支障をきたさないよう、漂着する流木やゴミの撤去・処分も行っています。

天ケ瀬ダム操作室
ゲート操作・巡視等
洪水調節や用水補給などダムの目的を発揮させるための観測・制御の操作といった流水管理を行っています。
また、関係機関への放流道路、ダム下流への放流警報や巡視なども行っています。

電気機器の点検
堆砂量の測定
堆砂量(貯水池内に堆積した土砂の量)の測定を行っています。
なお、適宜浚渫しています。

堆砂量の測定
水質調査
ダム上流側7個所(ダムサイト、大峰橋、鹿跳橋、田原川、曽束川、大石川、信楽川)、ダム下流側1箇所(白虹橋)で、定期的に水質調査を実施しています。

水質検査
天ケ瀬ダムでの主な設備
ダム本体 下流正面図

ダム本体 縦断図面

ダムゲート

天ケ瀬ダムがパワーアップ!天ケ瀬再開発事業が完了しました。
※令和5年4月1日(土)より管理開始
ダムの放流能力増強のため、左岸側にトンネル式放流設備を整備
洪水を防ぐ
放流量を増強し、素早く水を流す!
- ダム地点計画高水流量:1,360m3/s → 2,080m3/s
- ダム最大放流量:840m3/s → 1,140m3/s
- 淀川ピーク時放流量:160m3/s → 250m3/s
飲み水を供給する
1日あたり約17万人分の水を新たに確保!
- 最大取水量:0.3m3/s → 0.9m3/s
トンネル式放流設備 縦断図
トンネル式放流設備 流入断面図

トンネル式放流設備 導流部断面図

トンネル式放流設備 ゲート室部断面図

トンネル式放流設備 減勢池部断面図

トンネル式放流設備 吐口部断面図
