事務所の仕事

環境保全

 いつまでもみなさんの憩いの場となり、植物や昆虫、魚を観察できる環境を保つために、さまざまな対策を講じています。河川事業調査のデータをもとに、環境に配慮した川づくりを実施。とりわけ近年は、急増している外来種から日本固有の植物や魚類・昆虫類を守るための対策にも力を入れています。

外来種対策

 川には様々な生物が生息しています。植物は昆虫のエサに、昆虫は魚や鳥のエサになり、それらはもっと大きな魚や鳥、動物たちのエサになるというように、生き物は互いの存在によって生命を維持しています。この食物連鎖がうまく循環するためにはさまざまな生き物が共に生きていけるバランスの良い環境でなければなりません。しかし近年では今まで日本にはいなかった多くの外来生物が海外から侵入し、生物のバランスが崩れて在来の生物が減少又は絶滅の危機にさらされています。
 猪名川でもアレチウリなどの外来種植物の繁茂が問題となっており、今後対策を進めていく必要があります。
 また、生き物がすみやすい環境を保全・再生し、昔ながらの景観を取り戻す努力もしています。そしてこの美しさを保てるよう、住民参加による清掃やワークショップも開催しています。

猪名川で見つかった主な外来種

魚類:
オオクチバス、タイリクバラタナゴ

昆虫類:
オナジマイマイ、ヒゲナガアメイロアリ

両生類:
ウシガエル

爬虫類:
ミシシッピアカミミガメ

哺乳類:
ハツカネズミ、ヌートリア

植物:
アレチウリ、セイタカアワダチソウ

生物の生息・生育環境の保全、再生

 かつての猪名川は河原や瀬、淵など変化に富んだ美しい自然がたくさんあり、生物にとってとてもすみやすい川でした。
 しかし近年は、これまで進められてきた河川改修などにより河原などの水辺環境の多くが失われ、景観が悪く生物にとってもすみにくい川になってしまいました。このため、乾陸・樹林化してしまった河川敷を切り下げて河原を再生するなどし、昔のような美しい環境をとりもどすための対策を実施します。

H17年 猪名川8.4km付近

流量観測状況

河川水辺の国勢調査

 近年、河川環境に対する国民の関心の高まりもあり、今後なお一層河川の環境に配慮した川づくりの推進が望まれています。こうした観点から、全国の一級水系や主な二級水系の河川では河川環境の基礎情報の収集整備を目的とした「河川水辺の国勢調査」を実施しています。

ワイワイわんど(住民参加による河川環境づくりの試み)

 猪名川では、もともとすんでいた生き物たちにとってすみやすい環境が少なくなっています。そこで、猪名川をもっと生き物たちのすみやすい環境にするため平成13年から「下河原エコアップワークショップ」を開催し、猪名川の下河原地区において住民の方たちと協力し合っての自然環境の復元に取り組んでいます。その試みの一環として、平成13年3月にワークショップに集まっていただいた住民の方たちの意見をもとに、人工のわんど「ワイワイわんど」をつくりました。それ以後もワークショップを毎年数回開催し、住民の方たちにわんどに入ってもらい生き物を観察したり、水質調査や清掃活動などを行ってもらうなどして、猪名川にじかに触れ、よく知ってもらいながら猪名川の環境保全や広報に協力していただくなどの活動を続けています。
最近では、流域内の小学校の総合学習などにも「ワイワイわんど」が活用されており、また、「猪名川ワイワイ通信」でも情報発信をしています。

ワイワイわんどパンフレット

わんどとは

川岸が入り江状になり、浅い池のように水が溜まったところを「わんど」といいます。わんどでは水がよどみ、水面はおだやかで、生物の良好な生息域となります。植物および水生生物ともに豊かであることから、近年生態的な観点からその価値が評価されています。

下河原エコアップワークショップ

「下河原エコアップワークショップ」とは、猪名川の下河原地区について、住民と河川管理者である猪名川河川事務所が協力しあい、エコアップ(自然環境を良くする)するための活動です。老若男女さまざまな世代が集い、ゴミ拾いや自然観察、ハイキングなどで川に親しんで、関心をアップ。やがては次世代を担う人材を育んでいきたいと願っています。

猪名川ワイワイ通信

一庫ダム湖活用環境整備事業

一庫ダム湖全景

一庫ダム湖エリア地図

この記事に関するお問合せ

工務課 072-751-0999