円山川水系河川整備基本方針の概要

円山川水系河川整備基本方針の概要

流域及び河川の概要

  • 下流では河床勾配が1/9,000と緩勾配であることに加え、河川沿いに山が迫り、川幅が狭く、感潮の影響も受け洪水が流下しにくい
  • 円山川沿いに盆地が形成され、盆地に資産・人口が集中しており、一度洪水氾濫すると甚大な被害が発生
  • 豊岡盆地は、堆積した海底が陸地化して厚い粘性土層を形成しており、築堤を行うと地盤が沈下

災害の発生の防止又は軽減

工事実施基本計画策定後に計画を変更するような出水は発生しておらず、流量データによる確率からの検討、既往洪水の検討等を総合的に検討し、基本方針においても既定計画と同様に基本高水のピーク流量を基準地点立野で6,400m3/sと設定
  • 基本高水流量と計画高水流量との差分については、河道の遊水機能を活かした洪水調節施設および新たな洪水調節施設により対応
  • 円山川は河床勾配が小さく排水の悪い豊岡盆地及びその下流の山地部に洪水が集まるという特性を踏まえ、なるべく下流に負荷を与えないようにするとともに、河道や沿川の状況等を踏まえ、それぞれの地域特性にあった治水対策を講ずることにより、水系全体として、バランス良く治水安全度を向上させる
  • 円山川に並行してJR・県道が走っていることに加え、軟弱地盤であるため堤防整備が遅れており、築堤や拡築等の整備を実施
  • 治水対策を早期かつ効果的に進めるため、河道や沿川の状況を踏まえ、住民との合意形成を図りつつ、連続した堤防だけでなく輪中堤や宅地嵩上げを実施
  • 内水被害の著しい地域においては、関係機関と連携・調整を図り、排水機場の整備等の対策を実施

河川環境の整備と保全

  • 円山川と流域の人々との歴史的文化的なつながりを踏まえ、良好な河川景観を保全し、コウノトリなど多様な動植物が生息・生育・繁殖する基盤となる自然環境の保全を図るとともに、豊かな自然環境を次世代に引き継ぐよう努める
  • 下流部ではヒヌマイトトンボやイチモンジタナゴ等が生息するヨシ原やワンドなどの湿地環境、干潟について保全・再生に努める 中流部では、ムクノキ・エノキ群集の河畔林、アユの産卵場の瀬、カワラハハコ等の生息する礫河原、イチモンジタナゴ等の生息するワンドなど保全・再生に努める。また、遊水機能を活かした洪水調節施設の整備とともに湿地の再生を努める
  • 出石川では湿地環境を関係機関と連携し、保全・再生に努め、コウノトリの採餌場に資する。また、瀬・淵の連続する多様な流れの再生に努める
  • 上流部では、オオサンショウウオが生息・繁殖する渓流環境や瀬・淵の連続する環境の保全に努める
イチモンジタナゴ(国RL絶滅危惧IA類)
ヒヌマイトトンボ(国RL絶滅危惧IA類)
干潟で採餌するコウノトリ