湿地環境の再生・創出

加陽地区湿地再生

出石川河川区域内の水田跡地を利用して、多様な湿地環境を再生しました。
整備前
平成28年
令和4年

加陽地区と企業、河川管理者の連携

加陽湿地で活動をされている「加陽地区づくり委員会」が出石川で初めて河川協力団体に指定されました。
外来植物の駆除、「加陽湿地まつり」のイベント時や地元小学生等の環境教育を兼ねて外来生物の駆除に取り組まれ、コウノトリが舞い降りる湿地の再生につなげる活動に取り組んでいただいています。
維持管理においても河川協力団体や企業による湿地保全活動が行われ良好な湿地環境が維持されています。
また、円山川の特徴的な植物であるフジバカマの保護活動を地元と連携して実施しています。フジバカマの花が咲く秋には、渡りをする蝶「アサギマダラ」が飛来し、観察会などが地域住民により開かれています。

加陽地区地域づくり協議会による活動

企業による湿地保全の活動

加陽湿地まつり

フジバカマ保全活動・観察会

中郷遊水地湿地再生

緊急治水対策における出水時の円山川の水位低減を目的とした中郷遊水池整備と合わせ遊水池内に湿地環境を創出します。
湿地は遊水地の底面からさらに掘り下げた高さに計画しており治水効果を損なうことなく湿地環境を創出します。
主な目標として「河川~水路~遊水地の連続性(生態系ネット ワーク)」「より質の高い生物の生息・生育場」「リフュージア(小動物の避難場所)」とし さまざまな生物の生息環境を創出します。

遊水地の利用を期待する魚類

中郷遊水地内の常時本川との連続性を確保した湿地には産卵場所、避難場所ごとに円山川で確認された魚類からを「利用を期待する魚類」を設定し設計されています。 施工途中の令和4年度モニタリング調査でも多くの魚類が確認されました。

産卵場所の利用を期待する魚類

モツゴ
スジシマドジョウ
カネヒラ
ギンブナ

避難場所の利用を期待する魚類

ナマズ
オオキンブナ
コウライニゴイ
ギンブナ

モニタリング調査結果(R4夏季)

洪水敷き切り下げ

平成16年23号台風豪雨により円山川は甚大な被害を受けました。
再度災害防止のため 河川激甚災害対策特別緊急事業において高水敷掘削の切り下げを行い、治水事業の河積確保とあわせて湿地環境を創出しました。

切り下げ箇所の改良

高水敷切り下げの実施後は湿地環境が創出されコウノトリを始めとする生物が確認されました。しかし、再生した湿地は単調な浅瀬となっており、湿地として機能するよう質的な改良が必要となりました。
そこで、円山川での生物の利用状況を分析し、かつ川の河床変動状況も踏まえた改良を実施しました。

施工個所位置図