足羽川ダムの概要

ダムの計画

足羽川ダム建設事業は、足羽川、日野川(ひのがわ)及び九頭竜川(くずりゅうがわ)の 下流地域における洪水被害の軽減を目的として、 九頭竜川水系河川整備基本方針に定められた天神橋(てんじんばし)地点の 基本高水のピーク流量3,100m3/s に対し、800m3/s の洪水調節を行うため、 洪水調節専用(流水型)ダムと併せて、2本の導水トンネルにより 他の4 河川(水海川(みずうみがわ)、足羽川、割谷川(わりたにがわ)、赤谷川(あかたにがわ)) の洪水を導水するための分水施設(分水堰と導水トンネル)を整備するものです。
また、策定から20年~30年の河川の整備内容を定めた九頭竜川水系河川整備計画(平成19年)においては、 目標である戦後最大規模の洪水(福井豪雨規模)の流量2,400m3/sに対して、600m3/sを 足羽川ダムにより洪水調整を行うこととしています。
これに対応するため、現在、ダム本体と1本目の導水トンネル(水海川導水トンネル) 及び水海川分水堰からなる分水施設の建設を進めています。 なお、ダム本体は段階整備に適さない構造物であること等から、 将来の4河川からの導水を見越した規模で建設することとしています。

治水対策の現状

福井豪雨時の足羽川(福井市街地を流れる区間)は、 川幅が狭く、洪水の流下を阻害する橋梁が存在したこともあり、 約1,300m3/s の洪水を安全に流せる能力しかありませんでした。
現在の足羽川は、河床掘削工事(福井県事業)の完了により、 1,800m3/s の洪水を安全に流せるようになりましたが、河川整備計画の目標流量2,400m3/s(戦後最大規模の洪水)に対す洪水を安全に流すことはできません。
そのためには、足羽川ダムの建設により、洪水調節を行う必要があります。

流水型ダムの特徴

平常時は水を貯めず、川の水をそのまま流し、洪水時のみ、一時的にダムに水を貯めて下流に安全な量だけ流します。
洪水時には、一時的に洪水を貯留し洪水調節を行うため、下流沿川の洪水被害を軽減します。
通常時はダムに水を貯めないことや、河床近くに洪水吐(ゲート)を設置することにより、 貯水池内でも普通の川の状態が維持され、ダムの上下流における水循環、 土砂循環、魚類の移動など、自然に近い循環環境が維持されます。

建設地

足羽川ダムの諸元

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河川名 一級河川九頭竜川水系部子川
建設位置 左岸:福井県今立郡池田町小畑地内
右岸:福井県今立郡池田町小畑地内
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 堤体
型式 重力式コンクリートダム
堤高 96m(基礎地盤から堤頂まで)
堤頂長 約351m
堤頂 標高271.0m
堤体積 約690,000㎥(減勢工含む)
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ダム洪水調節地
集水面積 約105㎢(直接34.2㎢、間接71.0㎢)
湛水面積 約94ha
総貯水容量 28,700,000㎥
洪水調節容量 28,200,000㎥
堆砂容量 500,000㎥
平常時最高貯水位 −(常時は空虚)
洪水時最高水位 標高265.7m
設計最高水位 標高268.7m

水海川導水トンネルの諸元

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導水トンネル 約8.5m
延長 約4.7km

その他