川の大きな工事をするときには、まず<安全に流れる水の量>を決めてから、それにあわせて工事内容を計画します。円山川では2800
3/秒と決めました。
いちばんの大工事は、「大磯の大曲(おおぞのおおまがり)」と言われたクネクネした川を、まっすぐではばの広い川につくり変えることです。
工事は円山川の河口から約23km までと、出石川の合流点から9.4km 上流までにおよびました。
工事のために人々の土地253.5haを買い取り、川はばを広げたり、堤防(ていぼう)をつくるための土地にしました。
工事の内容
- 円山川の大磯の大曲2.7kmをまっすぐにして川はばを広げる。
- 円山川を豊岡のまちから下流4kmの川はばを広げる。
- 出石川をまっすぐにして、川はばを広げる。
- 円山川と津居山港の底をほって深くする。
- 堤防(ていぼう)のないところに堤防(ていぼう)をつくる(ぜんぶで44.3km)。
・円山川右岸側は玄武洞(7km付近)から鶴岡橋まで。
・円山川左岸側の豊岡市街地を囲む堤防(ていぼう)を、奈佐川合流部(9km)から日高の鶴岡橋(23km付近)まで。
・出石川左岸側は本川合流点(17km付近)から鳥居橋(5.4km付近)まで。
・出石川右岸側は出石のまちなか(9.3km付近)まで。
・奈佐川は、本川合流点(左岸9km付近)から奈佐川2.5km付近まで。
- 円山川から逆流することが多い小さい川(支川)に門をつくる(八代川、六方川など)。
- 工事中の昭和9年に上流の堤防(ていぼう)がくずれたので、堤防(ていぼう)づくりを鶴岡まで伸ばす。
- 円山川などにかかる橋をつくりかえる。
- 右岸側は、玄武洞(7km付近)から鶴岡橋までの堤防(ていぼう)をつくる。

いまもむかしの川が残っている
工事の効果
- 以前よりも<安全に流れる水の量>がふえたので、川から水があふれにくくなった。
- 川が曲がるところの堤防(ていぼう)や土が、水によってけずられにくくなったので、堤防(ていぼう)がくずれにくくなった。
- 豊岡より北の下流で船が行き来しやすくなった。
古い流れは?
「大磯の大曲」を広くまっすぐにする工事では、曲がっていた古い流れ(戸牧川)が残されます。川のあと地は土でうめられて市民体育館や豊岡南中学校の用地として使われるようになりました。また、うめなかった古い川は豊岡市中央公園の一部になっています。