国土交通省地方整備局ロゴ 近畿地域の下水道ビジョン 下水道イメージ
国土交通省 近畿地域の個性を生かし、次世代によりよい 水環境を引き継ぐ下水道を目指して
はじめに
「近畿地域における下水道ビジョン」の構成
策定にあたって
近畿地域の概況
近畿地域の特色
人と水との関わり
近畿の下水道の現状と課題
下水道ビジョンの理念
下水道ビジョンの視点
近畿地域の下水道整備の将来像
将来像実現に向けた4つのプロジェクト
プロジェクト1:快適・安全
プロジェクト2:再生・保全
プロジェクト3:リサイクル・地球環境保全
プロジェクト4:住民協働・流域連携
ご意見と回答
近畿地域の概況:2.人と水の関わり
琵琶湖・淀川・大阪湾を中心とした水辺に、まちや産業が発達してきました。
琵琶湖〜大阪湾周辺の市街地 近畿での人と水との関わりは、日本最大の湖である琵琶湖と京都・大阪という都市部を流れる淀川、その流れが到達する大阪湾を代表として、暮らしと密接に関係し、街はその恩恵とともに発展してきたと言えます。遠く太古の昔から都は水辺に発展し、人々が集い、営み、賑わってきました。飛鳥時代から安土桃山時代に至る奈良・大津・京都・大阪等といった都の存在と、大和川、琵琶湖、淀川といった水域が、水利用、舟運、漁業などと多様な繋がりで結ばれ、人々の暮らしそのものを支えてきました。

 また、明治時代以降、琵琶湖疏水を活用した水力発電により産業との結びつきが強まり、さらに近年では人と水との関わりが顕著となり、戦後の高度成長期より琵琶湖総合開発をはじめとする水資源開発とともに、淀川、大阪湾を中心として産業が発達しました。これは今日のように京阪神地区での人口集中を形成した要因とも言えます。

人の営みとともに水環境が悪化し、人々の生活や生態系に影響を与えてきました。
 近畿地域の発展の一方で、人の営みとともに現れた水環境の悪化は、人の暮らしと生態系に影響を与えるものでした。

 人々が居住する周辺の川では、どぶ化による蚊・蝿の発生や、悪臭などにより生活環境は悪化し、時には飲料水に影響を与え、病気の原因ともなってきました。また、河川からの水利用も多様化する中で、取水により一部の河川では水量が著しく低下し、干上がって川底が現れるといった現象も発生しました。

 琵琶湖や大阪湾といった閉鎖性水域※1においては、生活雑排水等の影響から富栄養化※2が進み、
赤潮や藻の発生など、現在でも深刻な問題となっています。

大阪湾における赤潮の状況 身近な河川の状況
【写真4-1】大阪湾における赤潮の状況 【写真4-2】身近な河川の状況
※1) 閉鎖性水域:湖沼や内湾のように、水の滞留時間が比較的長く、水の交換が行われにくい水域を指す。
※2) 富栄養化:植物プランクトン等の栄養となる窒素やリンなどの栄養塩類が、湖や湾に蓄積する過程を指す。
赤潮やアオコなどの発生の原因となる。
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