第3回新桜宮橋デザイン検討委員会

第3回新桜宮橋デザイン検討委員会について

第3回新桜宮橋デザイン検討委員会開かれる

平成12年11月27日、第3回新桜宮橋デザイン検討委員会が開催されました。
前回の委員会で、新しい銀橋が「アーチ橋」に決定したことをふまえ、今回は、基本(骨格)部分のデザイン・構造についての検討を行ないました。
主な論点は下記です。

(1)アーチのデザイン

今回の検討では、アーチの形として以下の2タイプを検討しました。

(1)相似形:できる限り現在の橋に似せたアーチ
(2)新しい発想によるアーチ:現在のイメージを活かしつつ、技術の進歩も実感できる新しい形状

橋を建設する際には、防災上の観点から、いくつかの基準が設けられており、そのうちの一つとして、橋脚の間隔に関する制限があります。
それは、橋脚の間には、一定の間隔をもたせなければならないというものです。
なぜなら、橋脚が近接しすぎると、洪水時に水が橋脚にあたってスムーズに流れなくなり、その結果、溢水や破堤などの災害が発生するおそれがあるからです。

この基準が、現銀橋の建設当時(昭和5年)と比較して、より高い安全性を求めるものとなりました。
すなわち、新銀橋の橋脚の間は、現銀橋のそれよりも広い間隔が必要になり、それにともなってアーチ部の長さも長くなります。

この条件で「(1)相似形」を考えると下図のようになり、以下のような評価が下されました。

・支間長が長くなるため、路面より2.5m程度突出した補剛桁が必要となり、視覚的に不連続となる。
・鋼重が「(2)新しい発想によるアーチ」と比較して約3倍になり、著しく不経済となる。

また、「(2)新しい発想によるアーチ」については、安藤委員より次のような意見が述べられました。

新橋は、最新の技術、素材、工法を用いるため、旧橋と比べて、非常にスレンダーなものとなる。それら新旧の橋が対として並置されることで、現在と旧橋建設当時の技術の違い、その間にある時間的奥行きを表現することができる。新しい橋の登場によって、既存の銀橋の魅力もより引き立つ、新旧が対となり、互いに刺激しあうような場所づくりができると考える。

以上の議論より、
・「(1)相似形」にするには、デザイン的、構造的、経済的にも無理がある。
・アーチ部の長さは、現橋より長くなるが、細いアーチとなるため、現橋と並べても違和感がないだけでなく、新旧の違いがあることで、より刺激的な新たな空間づくりができる。
という結論がだされ、新しい銀橋は「(2)新しい発想によるアーチ」となりました。

(2)高欄(こうらん)のデザイン

橋から川へ落ちることを防ぐ「柵」を高欄と呼んでいます。いろいろなデザインが工夫される部分です。アーチ部分には縦方向の鋼材を使用するため、高欄の柵の目を縦方向にすると、デザイン的にも調和したものとなるという意見がありました。

(3)橋と公園とのアクセス

より多くの市民が橋と公園を行き来できるよう、スロープを設置したほうがよいという意見がありました。また、趣があるため階段も残しておきたいとの意見もありました。
設置場所、デザイン等は、公園との調和を考えながら調整を行なう予定です。

(4)歩道と車道の間の柵

柵がない場合は、車が突っ込んできたり、子供が急に道路に飛び出したりして危険であるという意見がありました。また、イベントを行なう際にも警備がしやすいため、設置した方がよいのではないかという意見もでました。
反対に、柵があると、歩道を歩く際に圧迫感を感じるという意見もありました。
歩道が広くとってあるため、歩道と車道の間に段差をつけるだけで十分なのではないか、また、イベントのことを考えるのであれば、取り外しのできるポールを設置することで対応できるという意見がありました。

(5)照明・植木のデザイン

夜間ライトアップした際に、アーチを美しくうかびあがらせるもの、橋との調和、現橋の照明とのバランスを考え、機能的な面だけでなく、デザイン的にも洗練されたものが必要との意見がありました。
また、公園の利用者が気持ちよく歩けるように、橋の下にも照明をつけるなどの配慮が必要という意見がだされました。

その他、橋の途中に休憩場所(ビューポイント)をつくり、人が憩えるようなスペースを設ける、橋梁前後の中央分離帯に植栽を行ない、緑でいっぱいにする、歩道から泉布観が見えるように柵や草木の配置に配慮するなどの意見がだされました。

遊び心を失わず、公園と周辺の風景との一体性を考えながら、今後の詳細な設計を行なっていくこととし、委員会を終了と致しました。

事務局より

新桜宮橋デザイン検討委員会は、第3回をもちまして終了することとなりました。委員会には、多くのご意見をお寄せ頂き、ありがとうございました。今後は、この委員会での検討、市民の皆様から頂きましたご意見をもとに、橋の詳細設計にうつっていきます。

これからもホームページ、銀橋ニュースで事業の進行状況をご報告していく予定です。また、さまざまなイベントも計画しておりますので、その際にはぜひご参加ください。

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