淀川河川事務所

6号井堰撤去のお知らせ

京都・嵐山 桂川の6号井堰撤去のお知らせ

平成25年9月の台風18号による桂川の氾濫で、 嵐山地区では道路や建物が冠水等の被害を受けました。 台風18号のような洪水時には、堰の上流で水位が上昇し、 さらに堰の上流では土砂も貯まりやすく水位を更に上昇させてしまいます。 そのため、嵐山地区の流れを良くする対策として、 地域の皆様の要望である渡月橋下流の6号井堰を撤去する工事を行います。 工事期間中は地域の皆さま、観光客の皆さまには大変ご迷惑をおかけ しますが、ご理解とご協力のほど、よろしくお願い申し上げます。

期間/平成28年10月中旬~平成29年6月下旬
(※嵐山公園周辺については4月下旬施工完了予定) .

現状

井堰撤去後のイメージ(フォトモンタージュ)

6号井堰の設置経緯について

現存する資料によると、昭和10年から昭和20年頃には嵐山付近で桂川より西高瀬川が分派しており、桂川上流域で切り出された木材を西高瀬川下流にある貯木場へ舟により運搬されていたことが確認されています。また、この木材の運搬等のため、西高瀬川への水流を安定させる水制の役割をもついくつかの床固めが確認されています。

昭和38年頃には林業の衰退とともに、桂川本川を安全に流下させることと付近の河床低下に対する床止めを目的として6号井堰が設置され、現在に至っています。

(桂川嵐山地区河川整備検討委員会 深町委員提供)

(桂川嵐山地区河川整備検討委員会 深町委員提供)

写真等で見る嵐山周辺の堰の変遷

【昭和11年】

【昭和11年】

当時は、5基の床固が確認できます。

【昭和36年】

【昭和36年】

写真からの判断において、2基の床固が確認できます。

【昭和38年】

【昭和38年】

6号井堰設置

【昭和9年】

【昭和9年】

写真からの判断において、6号井堰が確認できます。

【昭和57年】

【昭和57年】

写真からの判断において、桂川本川と派川の合流点付近にも構造物が確認されます。

【昭和63年】

【昭和63年】

写真からの判断において、桂川本川と派川の合流点付近の構造物が消失しています。

【平成25年】

【平成25年】

6号井堰が洪水時の水位に及ぼす影響について

平成25年台風18号で氾濫している嵐山地区のようす

桂川の嵐山地区では、溢水により浸水家屋93戸、浸水面積約10haに達する被害を受け、周辺の旅館等も甚大な被害を受けました。洪水のピーク時には渡月橋の橋面を濁流が乗り越えました。
桂川の状況
洪水ピーク時の渡月橋(9月16日 9時頃)
6号井堰は上下流方向が約40mの構造物で、突出部の高さは概ね60cmです。また、6号井堰は中之島の下流部で、桂川の川幅が最も狭くなっている付近に位置しています。

平面図

構造図

その結果、①洪水時には堰の上流で水位が上昇し、さらに堰の上流では土砂も貯まりやすく水位を更に上昇させてしまいます。

①洪水時に堰の上流で水位が上昇する(堰上げ
 過去に6号井堰の上流で水位が上昇している状況を示します。

昭和57年台風10号による堰上げ状況

H25年台風18号による堰上げ状況

 H25年台風18号洪水時には約30cmの水位上昇が発生したと見込まれます。


②堰の上流では土砂も貯まりやすく水位を更に上昇させる(イメージ)

6号井堰の撤去と効果について

6号井堰撤去の内容

6号井堰を撤去することにより、堰上げが解消され、河床も下がることから水位を低下させる大きな効果が見込まれます。 渡月橋下流の土砂も貯まりにくくなります。

6号井堰撤去による水位低下の効果

 平成25年台風18号洪水の規模に対して、6号井堰を撤去した場合、堰の上流で水位が約30cm低下することが見込まれます。
整備計画目標である戦後最大洪水(昭和28年台風13号)の規模に対して、6号井堰を撤去した場合、堰の上流で水位が約30cm低下することが見込まれます。

6号井堰を撤去することによる河床低下への影響

6号井堰が撤去されると、水位を下げる効果がありますが、河床を安定させていたものがなくなるため、河床の低下が懸念されます。

6号井堰を撤去した後の河床変動解析による長期的な評価結果では、渡月橋下流~6号井堰付近で最大1.7m程度の河床低下が想定されます。

現状

嵐山公園臨川寺地区

嵐山公園中之島地区

現状のまま一様に河床が低下した場合のフォトモンタージュ

嵐山公園臨川寺地区

嵐山公園中之島地区

※フォトモンタージュは、河床変動解析結果から河床高を推定したものであり、洪水後に必ずこのような状態に変化するものではありません。

中之島側の護岸・根固めへの影響
中之島側の護岸については、河床の低下に伴い護岸の基礎部分が浮いてしまう恐れがあります。また、擁壁部分の護岸が露出すると景観を悪化させる恐れがあります。
臨川寺側の護岸・根固めへの影響
臨川寺側の護岸については、河床低下に伴い根固めが垂れ下がる恐れがあります。また、根固めが露出すると景観を悪化させる恐れがあります。

河床低下に対する対策

既設の護岸や根固め等の状況と6号井堰撤去に伴う河床の低下量を踏まえ、以下の範囲で河床低下に対する対策を講じます。

対策を行ったうえで一様に河床が1.7m低下した場合のフォトモンタージュ

嵐山公園臨川寺地区

嵐山公園中之島地区

※フォトモンタージュは、河床変動解析結果から河床高を推定したものであり、洪水後に必ずこのような状態に変化するものではありません。

河床低下に対する対策として、既設の根固めを撤去して、新しい根固めを設置します。

新しい根固めは、平常時に根固めが水面上に露出するため、既設のような大型ブロックではなく、景観に配慮した自然石を用いたものとします。なお、自然石は以下のような材料とします。
石材の形状: 丸石(玉石)とする。
  <理由> 現在の嵐山地区の河床材料と同じ形状とするため。 

石材の大きさ: 径30cm 内外の石材を基本とし、径50cm 内外の石材を混ぜる。
  <理由> 既設護岸の石の大きさに合わせるとともに、生物の生息場としての空隙を創出するため。

石材の色: 濃い灰色や濃紺色などを混ぜ合わせる。
  <理由> 既設護岸や河床材料の石の色は単一ではなく、さまざまな色合いの石が混ざっているため。

自然石を用いた根固めの標準横断図

※メインは径30cm内外の石材とし、径50cm内外の石材をランダムに配置します。
※石材の色はこれよりやや濃い色とします。

淀川工事に関する留意事項について

河川工事にあたって

工事の現地作業は安全管理に十分努めて実施致します。

6月中旬から10月中旬までの梅雨、台風の時期やその他豪雨など、降水量が多く大きな洪水が起こりやすい時期(出水期)には、工事は実施しません。なお、10月~12月、4月~6月は数多くのイベントが開催されるため、騒音、景観対策に十分配慮します。

工事期間中は地域の皆さま、観光客の皆さまには大変ご迷惑をおかけしますが、ご理解とご協力のほど、よろしくお願い申し上げます。

6号井堰撤去工事中のイメージ(左岸下流より)

嵐山地区河川工事の問い合わせ先

調査課/工務第一課 TEL072-843-2861 桂川出張所 TEL075-381-4667
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