淀川河川事務所

昭和28年(1953年)台風13号 詳細解説

天気概況

昭和28年9月16日、トラック島付近に発生した台風13号は発達しながら北西に進み、22日には中心気圧897mb、最大風速75m/sの大型台風となり、翌23日には進路を北北東に変えて西日本を直撃する勢いを見せました。この時、南方海上に停滞していた前線が台風の接近に伴い活発化、台風がまだはるか南の海上にあった24日昼頃から近畿一円に激しい雨をもたらし始め、25日8時を過ぎるまでに約90mmの降雨を記録していました。その後台風は、四国沖に接近するに伴い進路を北北東に曲げ、室戸沖を通過する頃にはさらに北東に変えたため、大阪地方では強い雨を伴った北風が7時間も続きました。

淀川の洪水・決壊状況

台風13号の降雨は、それまでの各支川同時に洪水になることはないという通説に反し、各支川流域が同時に強雨となったためピークが重なり、希有の大洪水となりました。  
淀川本川沿岸では、右支川芥川と支川女瀬川との合流点付近で約150m決壊、本川の水は芥川を逆流して氾濫し、富田町、三箇枚村、味生村一帯に浸水しました。右支川桧尾川では左岸提が約60m決壊し、その他の左岸でも数カ所、総延長1,000mにわたり表法の崩壊による堤防の漏水と内水が見られました。また、桂川では亀岡上流の八木町で2カ所にわたり右岸提が決壊、下流合流点付近の右支川小畑川の右岸も決壊し、120haが浸水。木津川、桂川の稀にみる大洪水がほぼ同時に合流したため、宇治川の水位も高まり、向島、観月橋下流約2kmの左岸が約450m破堤しています。

洪水による被害

本川沿岸の芥川の決壊により富田町、三箇枚村、味生村一帯は約1,700haが浸水、桧尾川の決壊では高槻市南部の約480haが20日間の浸水となり、低地の京阪急行線を途絶させました。そのほか桂川支流の小畑川の決壊では120haが浸水、また宇治川の破堤による浸水は旧巨椋池干拓田と佐山村、御牧村一帯2,880haにもおよび、この地域は約25日間水びたしとなりました。  
大阪府だけを見ても、全壊家屋756戸、半壊家屋3,354戸、流失家屋121戸、床上・床下浸水家屋は16万戸を越す被害をもたらした台風13号。その被災人口は大阪府で738,797人、京都府で321,029人、滋賀県で189,001人にものぼっています。
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