■自然を損なわない川づくりが、見直されています。
暴れる川から、人命と財産を守る目的で行われてきた治水事業ですが、人間の都合だけで進められてきたところもあり、水害の減少と引きかえに、河川の様々な自然を失いつつもありました。
例えば、水生生物の生息地になる瀬は魚にとってのエサ場になり、水深が深く流れのゆるやかな淵は休息地になるというように、河川の多様な地形は、それらの環境を好む生き物たちにとっては大切な生息の場です。それら様々な環境が減少したために、生物たちの数まで少なくなっていきました。その反省から、多自然型の川づくりが注目されるようになったのです。
■多自然型川づくりとは、川本来の姿を保つための整備です。
多自然型川づくりとは、本来の川が持つ多様で豊かな自然環境を保全し、創出し、再生することを目指す川づくりです。
昔ながらの水辺の風景に一切手をつけず、原始の状態を保つのが目的ではありません。水を治めるために必要な対策を行いながら、綿密(めんみつ)な計画設計、様々な配慮(はいりょ)や工夫をほどこして、多様な自然をつくり、人と自然が共生できる環境をつくること。それが、多自然型川づくりの考え方であり、目的です。
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多自然型川づくりのポイント |
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自然の川が持つ形状を活かす。 |
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生き物が生息しやすい空間をつくる。 |
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地域の風土を活かす。 |
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流域の人々が川づくりに参加する。 |
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