交通コラム
ホントに無くなる?バス交通
東京や大阪などを除くほとんどの地域で、バスよりクルマのほうが圧倒的に便利です。数時間に1本しかバスが来ない、という地域は日本中にたくさんあります。
しかし、一昔前にはバスはもっと走っていて、お客さんも決して少なくなかったのではないでしょうか。どうして、こんなことになってしまったのでしょうか?

まず、バスが使われない最大の理由は、「バスが不便だから」です。もしも、自宅や目的地の近くにバス停があって、しかも、いつも乗りたいときにバスが来ていたら、今よりバスを利用する人はずっと多いでしょう。
では、なぜ、バスはいつも来ないし、いろいろな所にバス停ができないのでしょう。それは、「お客さんが少なければ、バスをたくさん走らせることができないから」です。例えば、お客さんが1日に10人前後しか乗らないようなバス停に、1時間に5本も10本もバスを走らせたら採算がとれなくても仕方ないのではないでしょうか?
つまり、バスが不便なのはお客さんが乗らないからで、お客さんが乗らないのはバスが不便だからなのです。この「悪循環」がここ数十年続いています。このまま続けば、数十年後には一部の地域を除いて日本中からバスがなくなっているかもしれません。
そんな時代がきてしまったら、クルマの運転ができなくなった高齢者や子ども達はどうすればよいのでしょうか?バスがなくなった地域の免許のない人達は、どうすればよいのでしょうか?
そうなのです、バスの問題は、実は、地域全体の問題なのです。そう考えれば、「1回利用すれば、その分だけ、地域のバスを未来に残せる」と考えて、クルマの代わりに少しずつバスを利用するのも、わるくないのかもしれませんね。
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